Banana Recipes

漫画 BANANA FISH の2次創作ブログです。 BANANA FISH 好きの皆様と仲良くしていただければ嬉しいです♪一部BL・R18あります。ご注意を。

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>名も無き読者様
こんばんわ~。毎回素敵なコメントありがとうございます~~。
そうそう。伊部さん。言わなきゃいいのに。この一言でアッシュは意識しちゃったんですよね~(笑)でも伊部さんが言わなくても遅かれ早かれ私の2次創作ではアッシュは気付いちゃいますけど(笑)
そうですね。自分の傷を顧みずアッシュの病室に日参する英二のアッシュへの愛はどんだけ~。てカンジなのですが、英二に手を握られただけでウハウハしているアッシュもまたどんだけ~(笑)かと。YOU達もう行き着くとこまで行っちゃいなよ!という内容でした(苦笑)
「アッシュにハグする英二は積極的ですね(萌え)でもきっと本人あまり自覚が無いと思うんです。」
そうですね。こちらのコメントは他の方からもいただきましたが、これが私の萌えみたいです。今回言われて初めて気付きました。名も無き読者様のこのコメントのあとにつづくコメントが(覚えてらっしゃるかしら)もう、次の私の展開(実はもう書いてる)ドンピシャの内容だったので。ありゃー。バレちゃってるこれ(笑)とか思いました。まぁ。スタンダードなシチュエーションですから、どこでも使われているものだと思いますけどね!名も無き読者様と萌えポイントが一緒(笑)ヾ(≧ω≦)ノヒャッホーィ
「ラブラブモードに突入して下さると嬉しいです。」
突入したい(笑)。この話の続きを細かく丁寧に書く技量と想像力がないので書けないのですが、「この話の先の話」を考えると、2人はもうラブラブで困っちゃいますよ!(笑)そんな話を書きたいですが、次にアップする話はif設定ではない話にまた戻りそうです。(何作か同時進行で書いてますので、どれが先にできるか自分でもよくわからないのです。)でも、「この話の先の話」も平行してがんばって書いていこうと思います。問題はそういう話をアップするに当たっての勇気です。できるかな~。ガンバル。
嬉しいコメントありがとうございました!またぜひぜひ遊びにきてください~。

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>aiaさん(09/29 20:06)
連投ありがとうございます!どちらにでも結構ですよ~。コメントすごく嬉しいです♪
『幻魔大戦』のパンフやシナリオ集、カセットテープ(笑)。すごい。すごいですね。aiaさんはバナナグッズもそうですが色々持っていらっしゃいますね~。映画は覚えているのですが、グッズはパンフレットもないです>< そういえば従姉妹が小説を持っていたので、途中まで読ませてもらいました。読んだことは読んだのですが、あれは途中からすんごく暗くてしかも宗教的になっていった気がする・・そして付いていけなくなったという・・。小説読んでましたか?でも映画はきれいにまとまっていて、(先に映画を見たからかもしれませんが)やっぱり忘れられない映画のひとつです!。
AKIRAの方はああ。そうでした!アフレコに合わせて絵をつけていったテレビ特集を見たような気がします。試写会に行かれたのですか。絵コンテのままて、コアですね。コアすぎる(笑)私は田舎の学生だったので、試写会とか華々しいものはなかったなぁ。「AKIRAの世界」なるほど。私は今東京の片隅で働いておりますが、そういう目で東京を見たことがなかった・・。
「AKIRAの世界」であり、「魔界都市」であり、細かい小説とか上げていったらなんでもありですね。東京(笑)(新撰組系の友人に付き合って回ったこともあったなぁ)
ところでいつも500文字と闘ってくださってありがとうございます!(笑)コメント欄は500文字規制がないみたいなので、思いが溢れるときはそちらも使ってください。でも拍手はください(←ねだるなねだるな(笑))原動力なもので・・。それではまた何の話でも遊びにきてくださいね~~。


>09/29 20:00にコメントをくださった方(冒頭が「うわーうわー!こういうお話待ってました!」)
コメントくださってありがとうございます!「理想の話」とまで言ってくださって、もう嬉しさがとまりません~~。
おそらく貴女とは萌えのツボが似てるのでしょうね^^
そうですよね。伊部さん本当に「核心」につっこんでくれました(笑)オッサン言いづらい事がんばりました(笑)
この話は最初の伊部さんのセリフがぱっと浮かんで2、3ヶ月寝かしておいたものでございます。
後半戦の英二とのウダウダは最近浮かびました。まさしく、伊部さんの一言がないともうこの話は成立していなかった。まぁ。こんなこと言えるの伊部さんくらいだろうなぁ・・。
「もしアッシュが生きてたら…英二との関係は一歩も二歩も進んだんじゃないか」
そうですよね~。色々な『生きてたら』があると思いますが、こんな話もアリではないかと思います。原作ではまさしくおっしゃるとおり「魂は狂おしいほどお互いを求めあって」いるように読めますものね~。
でもそのままの関係で友達のままで一生を終えるというのもプラトニックでありなのかなぁ。とかも思います。まぁ。こんな話書いといてお前は何を言ってるんだってカンジですが・・。だってこっちのほうが萌えるんだもん(苦笑)今後はくっつく方向でいきたい!アップする勇気があれば。
「英二自身は無意識かもしれませんが、積極的なのが英二」ナ・・ナルホド。そうか。それか。ワタシの萌えは。(←言われて初めて気づく自分の萌えの傾向)なるほどなぁ。ほんとうに皆さんのコメントには色々気付かせていただいて本当におもしろいです。
「2人の関係が先に進むじれったい展開はぜひ読んでみたい」
リクエストありがとうございます!私もそんな話読みたいです(笑)実はワタシ面倒くさがりやでして、じれったい展開というほども話を引っ張れないと思います><。誰かこの続きをいいカンジで書いてくれないかなぁ。この話の続きは書けないと思いますが、「この先の話」を書くならなるべくご期待に添うように・・。できたらいいなぁ。ガンバリマス!
それではまた遊びにきてください~~。


>aia様(09/29 19:49)
「aiaさーーーん!!」コメントの出だしで名前を叫ばれるとは思いませんでした(笑)そんな楽しいコメントありがとうございます♪
一気に読んでくださってありがとうございます!そうですね。長編というか中編というか2つに分けてもいいくらいの話かな?と思ったのですが、私はなんというか、毎回毎回自分のお話を自信を持ってアップできないので、2つに分けたりしたら次をクリックしていただけないかも。とか思っちゃってちょっと長めでも1枚でアップしちゃうのです。えへ。だから一気に読んでくださったとコメントくださったらもう本当にうれしくて涙涙でございます!
「『if設定』だけど、英二の夢の中では原作とおりの事が起こってて」
そこ。そこツっこんでくれて本当にありがとうございます!
これですよ。これ。原作では「英二がどんだけ苦しんでると思ってんのよ。だいたい(アッシュが)生きてる時に『きみまでいなくなったら僕はくるっちまう』とかなんとか英二に言われてアンタ(←注:アッシュの事。ファンの皆様すみません)もそれに感動してるでしょ。なのにさっさと死んじゃって、一回お前(←注:アッシュの事。ファンの皆様すみません)、英二の気持ちを思い知れ!英二に目の前で泣かれてしまえ!そしてオロオロするがいいさ。ハハハハ。」とか思ってたのでこんな話を書いてしまいました。(ほんとすみませんすみません。)まぁ英二には泣いてもらってないですが・・。私はaiaさんみたいに絵を描いてみたいです。そしたらもっと書きたいことが描けるのになぁ。と思います。
それではコメントと拍手と念(笑)をありがとうございました!また遊びにきてください~~(笑)



>jerry様(09/29 19:08)
まぁ・・。「サイコーーー過ぎる」なんて言ってくださってもうワタクシは今モーレツに「サイコー」でございます!
萌えましたか?(笑)よかったアップして・・。(アップしたけど自信なくて一回下げたんですよ。これ。でも再アップしたんです。)きっとjerryさんとはストライクゾーンが一緒なのかも~~。
もう外出先からコメント送ってくださってるとか。どんだけ私を嬉しがらせるんですか?コンチクショー。
でも私も外出先でjerryさんのコメント読んで電車の中でニヤニヤを止めるのがむずかしかったりしました。(笑)(今は家でニヤニヤしながら書いてます。)
続編リクエストありがとうございます!書くとすれば続きというか「この先の話」という話になると思うのですが、英二からのアプローチとかあれはホントに残念ながら冗談だったんですが、他の人からもそこへの反応が意外にいいからどうしましょう(苦笑) でも、2人がくっつくきっかけの話は書きたいなぁ。と思っておりますので、アップしたときはできれば読んでやってください。でも勇気が・・。ガンバル。
それでは、また遊びにきてくださいね~。



>きなこ様(09/29 09:37)
よ・・読みたいですか(笑)まさかまさかの「読みたい」リクエストありがとうございます!
ホントの所、この話アップしてから、「ちょっと(この妄想)やばかった?やっぱりやめときゃよかった。えーい。下ろしてしまえ~」と、小説から更新履歴からつれづれから何からなにまで一回ネットから下げたんですよ。
でも開き直ってまたアップして(←結局やったのかよ)でもすごくやっぱりやめりゃよかったなぁ。とか思ってて・・。
だから拍手していただいて、コメントまでいただいて、しかも続きがみたいだなんて・・。すんごい嬉しいです。><
でも、もしそういう話を書くならこれ以上にアップに勇気が・・。でも妄想しちゃうんですよね(ため息)orz。
書くとすれば、続きというか「この先の話」という微妙なカンジの話になると思いますが、アップした時はまた読んでください~。
ところで、コメントで「描写と心情の表現」を褒めていただいてありがとうございます!
今回ホントにそこに力を入れたんです。2人の切ない空気が書きたくて。つたない文章ですがちょっとでも伝わったのかと思って高速回転で天にも舞い上がる気分です。
嬉しいコメント本当にありがとうございました!
また遊びにきてください~~。

こんばんわ。8作目『Another one 再会の後。』を更新した小葉です。

今回は、
if設定。アッシュが生きていたら。です。
文章多め、内容セツナメ(?)。再会の話なのになんだか暗め。でも妄想全開になっております。
・・・・。
毎回毎回似たような事書くのもなんですが、この妄想、他の人が読んだらイタかったりするのかしら・・。大体しょっぱなの伊部さんのセリフからしてもう・・。

まぁ。いいか。できちゃったし。
バナナの2次創作をやってる限りおそらくだいたいの人が通る「アッシュが生きてたら。」
これは別に2次創作をやっていなくても、こんな辺境のブログにバナナの残像を探してやってきてくださるようなコアなバナナファン(笑)の皆さんの頭の中それぞれに、素敵な2人の再会シーンがある事でしょう。
そんな貴女の再会シーンをひとまず横に置いといて、このブログの再会(の後)も楽しんでいただければ幸いです。(明るくない話ですけど)

でもただの妄想なんだよな~。

いろんな方の再会シーンをぜひ教えていただきたい。と思う小葉でした。きっとすごい萌えがあるんだろうなぁ(笑)

最後になりましたが、いつも拍手や暖かいコメントをありがとうございます♪
いつもいつも本当にうれしくて、次の小説もアップしてもいいんだ。と勇気をもらっております。
いつもご訪問くださる方もはじめての方も本当にありがとうございます!


「君達の関係は友達というには深すぎる。」

伊部が真面目な顔をしてアッシュに言った。

NYの片隅にある総合病院。その李家の息のかかった病院にアッシュは入院していた。彼は対外的には死亡したことになっていた。なぜ李家縁(ゆかり)の病院にユーシスが自分を搬送させたのかはアッシュは知らない。これ以上他グループとチャイニーズとの関係を悪化させないため、アッシュを刺したラオとチャイニーズは関係がないとのパフォーマンスなのか、それとも別の思惑があるのか。

一度は日本へ帰国した伊部と英二もまた、アッシュ危篤の連絡を受けて慌ててこちらに戻ってきた。一度ビザ切れを起こした2人がすばやく再入国できたのも李家の手引きがあったからに違いない。
アッシュは生死の淵を彷徨ったものの、2人が到着した頃には術後の経過も良好で意識も回復していた。安心した英二はその場で倒れた。
英二の腹膜をかすった銃創はまだ直りきっておらず、無理を押してのフライトに傷口がもう一度開いて出血したのだ。英二はアッシュと同じ病院に入院することになった。
元気になったら帰国しようと、軽く提案した伊部に、英二は強い拒否の意を示した。

『僕は帰りません。』

伊部は英二を説得した。
もう解決したはずだ。アッシュを支配していたコルシカマフィアがバナナフィッシュの機密を抱えたまま火の海に落ちた。アッシュは開放されたのだ。長年の支配としがらみ、そして兄の為の報復から。だから退院したら日本に帰ろうと。どんなになだめすかしても英二はうんとは言わなかった。一人でもアメリカに残ると言う。
何を言っても首を縦に振らない英二に、日本に仕事を残した伊部はとうとう諦めた。だが、伊部には思うところがある。
英二を一人残すのであれば確認して置きたいことがあった。どうしても。

英二が入院して数日後。
アッシュの病室を訪れた伊部はアッシュのベッドサイドにあった椅子を引き寄せ座り、軽い世間話をした後、英二がアメリカに残りたがっている旨をアッシュに伝えた。
そして、意を決したようにアッシュの目を見て言ったのだ。


「君達の関係は友達というには深すぎる。」
アッシュは一瞬虚をつかれた。
「・・・・俺たちは別に、」
「わかってる。そういう関係でないって事はね。」
「・・・・。」
「ただ、お互いがお互いを求める強さはただの恋人以上に見える。僕や僕の恋人なんかよりずっとね。」
黙っているアッシュに向けて伊部は淡々と語る。
「英二は優しい。あの子は決めたらテコでも動かない所もあるが、好感をもった者、近しい人の行動や感情には流されやすい面がある。」
伊部はアッシュから目線を外し、逡巡した後もう一度アッシュを見つめはっきりとこう言った。
「君は大丈夫か。」

俺はー。

しばしの沈黙の後アッシュが答える。
「俺たちの心配をするより、あんたの彼女の心配をした方がいーんじゃねーの?何年放ってんだよ。」
「アハハハ。それを言われるとマイッチャウなー。」
伊部が場にそぐわない笑い声をたてた。だが2人の間に流れていた緊張がやわらぐ。
その時病室のドアが開かれ、英二が点滴を押しながら入ってきた。
「何話してるの?」
「英二?」
「英ちゃん。また・・。」
伊部が椅子から立ち上がり慌てて英二に手を差し伸べる。
「ダメじゃないか、数日は安静にしておくようにって先生に言われたろ?」
「はぁ。でも僕。結構元気ですよ。」
「そんな事言って、昨日この病室から帰った後熱を出したって聞いたよ。」
「あれは・・。」
「英二。あんまりイベを心配させるな。オッサンは年に似合わず苦労性だからな。」
「・・・・」
アッシュに言われて英二は黙り込んだ。黙った英二にアッシュが畳み掛ける。
「医者からいいって言われるまでこっちに来るな。」
「僕は君が心配で・・。」
「まず自分の体の心配をしろ。」
「・・・。」
きつい口調でたしなめるアッシュともう一度黙り込んだ英二の間にやんわりと伊部が割って入る。
「英ちゃん。アッシュもそう言ってるし、とりあえず病室に帰ろう。な?」
英二を促して病室を出ようとした伊部にアッシュが声をかけた。
「イベサン。さっきの話。俺は大丈夫だ。」
「・・・信じてるよ。」
「あんまり心配しすぎるとハゲるぜ?」
「何の話?」
「いいから。英ちゃん。元気になったら教えてあげるよ。」
伊部に肩を軽く押され病室を出た英二が、扉が閉まる前にアッシュを伺った。英二とアッシュの視線が絡む。それを遮るように扉が閉められた。
「ー?」
英二の表情がアッシュの頭に残る。その顔はどこか不安気だった。

アッシュの病室は病棟の最上階一番奥の個室だった。世間や警察に顔が知れているアッシュが、万が一にも顔を指されないようにとの李家側の配慮だろう。
2人のいなくなった病室は静かでどこか寂しげだ。
一人になると疲労感が襲ってくる。まだまだ体力は回復しないようだ。実際一人では立てない。

意識が回復してからここ数日の色々な事が頭を巡る。

マックスが頻繁に見舞いにやってくる。
まずアッシュの意識が回復した日にやって来た彼は、『警察にはバレてはいないはずだ。早く元気になれ。』とそう言ってアッシュを励ました。
後はとりとめもない事を一人で話して帰っていく。ジェシカとはよりを戻したようだった。マイケルがアッシュに会いたいと言っているらしい。今日も『でもお前死んだことになってるからなぁ。』とブツブツ言って帰っていった。

『安心して休むといいよー』
わざわざ人のいない時を見計らって見舞いだと称してやってきたユーシスが、口の端に薄い笑みを浮かべて言った言葉を信じているわけではなかった。
『あと預かっていたこれ。』
預けていた覚えはないが、後ろに控えていた彼の部下が枕元のサイドボードにコトリと置いたのは、アッシュの愛銃と一通の手紙。アッシュは苦い気持ちになった。

なるべく早くここを、出たい。

そう思うが体がついて来なかった。
この傷で立てると思う方がどうかしていると医者には言われたばかりだが・・。
これまでのアッシュは生き延びたければどんな怪我でも早く自分の足で立たなけれはならなかった。だが長年自分を支配してきたコルシカマフィアが死んで、気でも抜けたのだろうか。今回は立てない。
ゴルツィネの最期が映像のように頭をよぎる。あの男は何を思っていたのだろうか。そして自分は・・。

「俺はあんたに何て言ったらいいか・・」
仲間の目を盗んでやってきたシンは、アッシュの目を見ずに謝った。
ー仲間から裏切り者を出した。
ーボス同士の決着をつける前に自分の兄弟にアッシュを殺らせようとした。
今やシンとチャイニーズの評判は地に落ちた。これからシンがボスの座に居続けるのであれば大変な苦労をするだろう。
そんなシンにアッシュは何も言わなかった。英二の様子を見てくれ。自分はここから動けないから。とだけ口にした。

そして英二。
シンに英二を頼んだのには理由がある。
出血して倒れた英二は、すぐさま治療され、別の病室で入院していた。
医者にはまだ一人で立つことを許されているわけではないが、毎日アッシュの様子を伺いに来る。
その様子が少しおかしいのだ。どこがとはっきりとは言えないのだが・・・。

アッシュは深いため息をついた。

それから先程の伊部の言葉ー。

『君達の関係は友達というには深すぎる。』

俺が英二と?

伊部はそう言いたいのだろう。
アッシュはこれまでそんな事は考えたことがなかった。

馬鹿な話だ。

アッシュは一蹴する。
ともかく入院しているにも関わらず、息をつく暇がない。
アッシュはゆっくりと目を閉じた。
睡魔がゆっくりと押し寄せてくる。昼間あんなに眠ったのに、薬のせいだろうか・・。
眠くなる薬は嫌いだ。いざと言う時に立てない。
アレックス達はどうしてるのだろうか、シンに聞いておけばよかった。
先程の英二の表情が頭をかすめる。

ーそういえば、再会してからこっち、アイツの笑った顔をみてないな・・。

グルグルと取り留めのない事を考えながらアッシュは知らぬ間に眠りについていった。


*********************************************

夢の中で英二がアッシュの名前を呼んでいた。
アッシュはそれに答える。
だが英二にはアッシュの声が聞こえないようだ。
英二はまだ自分の名前を呼び続けている。
それはとても哀しい声だった。
アッシュはより大きな声を出そうとするが、喉から声が上手く出ない。

ー英二。俺はここだ。英二?

「・・アッシュ。」
「?」

夢か。

目を覚ますと英二がベッドの横に座っていた。アッシュは夢だった事にホッとする。
寝汗を搔いたのか、背中が濡れたようで気持ちが悪い。額には汗が浮かんでいた。
深夜の病室は電気が消されていて、自分を覗き込んでいる英二の表情ははっきりと見えない。
アッシュは英二に向かって手を伸ばした。英二がその手をそっと握る。

また病室を抜け出したのか・・。

「何時だ?」
「3時過ぎたところかな?」
「自分のベッドに戻れ。おまえ感染症を起こしたらどうなるかわかってんのか?」
「・・・うん。」
しかし英二は動かない。アッシュの手を握り締め、じっとその手を見ていた。
やはり再会してから英二の様子がおかしい。以前から英二はいつも自分の心配をしていた。だが、それとは別に何か気になることでもあるのか、いつもの彼とは何かが違う。
アッシュはベッドの上で軽いため息をついた。
英二を連れて彼の病室に行きたい。しかしまだそこまで体調が回復していなかった。そんな自分の体が不甲斐ない。
「どうした?」
「夢を見るんだ。」
「夢?」
「うん。入院してからずっと。」
「どんな。」
少し黙った後、英二はぽつりぽつりと話し始めた。
「・・僕は日本にいて、君が撃たれたと聞いてこっちに戻ってきたんだ。そしたら皆が・・・。君が死んだっていうんだ。」
英二は黒いまつげを瞬かせ、ただ静かに話し続ける。
「僕は信じられなくて。NY中を探すんだけど、君はいなくて。皆が僕を止めるんだ。君を探すなって。もういないからって。でも僕は写真を撮るフリをして君を探し続ける。どこを撮っても何枚撮っても何年経っても君はいなくて・・。」
アッシュは胸をつかれた。
自分の手を握り締める英二の手が微かに震えているようだ。
「君がここにいてよかった。」
英二は握っているアッシュの手を自分の頬につけた。
2人の間に沈黙が流れる。しかし2人ともそれを沈黙とは認識しない。
それは沈黙ではなく、かといってもちろん会話でもなく。ただ2人の間に当然のようにあるものだった。
先に口を開いたのはアッシュだ。
「英二。」
アッシュは英二に握られた手を強く握り返した。
自然と英二の頬から2人の手が離れる。
「悪かった。」
その言葉に、英二が目を見開き半分口を開けた。驚いて声もでないようだ。

何だそのアホづらは。

「君が謝るなんて。やめてよ縁起でもない。」
「・・・お前。自分のベッドにさっさと帰れ。」
握られた手を投げるように離したアッシュに英二が声をかけた。
「アッシュ。」
「まだなんかあんのかよ。」
「ハグしていい?」
「・・・・」
英二は返事を待たなかった。動けないアッシュの体を慎重に覆い、抱きしめた。その存在を確かめるように・・・。
アッシュも英二の背に腕を回す。
アッシュの肩に顔をうずめながら英二が呟く。

もう僕の前から姿を消さないで。

その声は小さ過ぎて本当にそう言ったのかどうかアッシュにはわからない。だが抱きしめられた腕から英二の気持ちが流れ込む。
しばらくそうしていた後、英二がゆっくり身を起こす。
「じゃ。僕。戻るね。」
「そうしてくれ。」
無理な体勢をとったことで傷口が痛むのか、小さくイタタと口にして英二は病室の外へと向かう。英二が引戸を引くと、廊下の非常灯の明かりが部屋の中に入り込んで2人の顔を薄ぼんやりと照らした。ドアの手前で英二はもう一度振り返り、薄明かりに照らされたアッシュを確かめた。
「お休み。アッシュ。いい夢を。」
「お休み。お前もな。」
英二がやさしく微笑んで、静かにドアが閉められた。
やっと見ることができた英二のその表情にアッシュは安堵する。
アッシュの顔が闇に紛れた。

病室に静寂が訪れる。
聞こえてくるのは、時計の針の回る音と、自分とシーツの間に起こる小さな衣擦れの音。
アッシュは自分の枕の下に手をやった。そこから封筒を取り出す。ユーシスが部下に持たせて自分に渡したあの手紙だ。その手紙の封は既に切られていた。ところどころ自分の血と涙に染まったそれをアッシュは開けずにただじっと眺める。
一度だけしか目を通していないその手紙の最後の言葉を思い浮かべた。

ー僕の魂はいつも君とともにある。

君とともに・・・。

アッシュの胸に熱いものがこみ上げる。それは何度思い起こしても変わらずアッシュの胸を熱くした。

『君達の関係は友達というには深すぎる』

アッシュは伊部の言葉を思い出す。

あの時、このおっさんは何が言いたいんだ。とアッシュは思った。
いや違う。自分にはわかっていた。
英二の発する一語一句で自分の心の闇は晴れ、英二から流れる感情で自分の心は温かくなる。
自分にとっての英二の存在はあきらかに他者とは違う。
伊部はそれに気付いているのだろう。そしてそれを危険に思って自分に釘を刺した。

『君は大丈夫か』

君は英二に友人以上の感情をもたないのか。
もしくは英二が君に持った時、君は流されないのか。と伊部は言いたいのだ。

アッシュは伊部の言葉を正確に理解していた。
確かにその感情は友達に対するそれとは違う。しかし決して恋人に持つようなものでもないはずだ。

大丈夫。
俺は大丈夫だ。もしどちらかがそんな感情を持ったとしても、俺は英二を流す事はできないし、流される勇気もない。
勇気か・・・。
勇気と言えば自分より英二の方が持っているのではないか。
何も力の無いその手で自分を慰め、いつも死と隣り合わせの自分の傍にいようとする。それは勇気がいることではないのか。

何度か英二を手離そうとした。彼の安全を考えて。
自分は弱い。
一度知った温もりを振り切る勇気を持ってはいても、もう一度伸ばされたその手を振り払うことが出来ないほどに、弱い。

アッシュは手紙を持っている自分の手を見つめた。この手は先程まで英二の温かなやさしい手によって握られていた。
自分がその手をどれほど焦がれていたのか。誰も知らない。英二でさえも。
NYに来てから誰も幼い自分の手を握ってはくれなかった。代わりに自分で強く自分の手を握り締めた夜。

誰か誰かどうか誰かと、

あの時溢れた思いが今叶っている。

アッシュは英二に握られた温かさの残る手を軽く握り、もう片方の手で包み込む。
手紙を折らないよう慎重に。

もう振り払えない。

アッシュは目を瞑り、握った両手を眉間に寄せた。手紙が軽く額に当たる。

『君は大丈夫か?』

伊部の言葉が反芻される。

俺はー

アッシュは考えることをやめた。考えられなかった。

これ以上考えると、俺はー。

窓辺に目を向けるとカーテンの隙間から薄い弓なりの新月が小さく見えている。
その月は自身が明るい光を放っているが、部屋の中までその光を射してはこなかった。
アッシュはその月をただ眺めた。どのくらい眺めていただろうか。

その月から視線を外し暗い天井に目をやる。
握ったままの両手を手紙ごと胸の上に静かに置いた。
その姿はまるで何かに祈るようだ。

早く回復しなければ。

自分が大事にしているものを、失わない為に。何者にも奪われない為に。

強くなりたい。

自分のためだけにではなく、自分が大事にしているもののために。
何者からも守れるように。それは弱い自分自身からでさえからもー。

大きく息をつき再び目を閉じる。
先程別れ際の英二の表情が瞼の裏に蘇る。

『おやすみ。アッシュ。いい夢を』

誰もいない病室で彼の口角が微かに上がった。
月が動きカーテンの隙間から見えなくなる。
暗闇の中でアッシュの意識が沈んでいく。
胸の上に置いたその手はまだ温かいままだった。







最後まで読んでいただいてありがとうございました。
妄想全開のこんな話に最後までついて来てくださった方には本当に感謝です。「こんなのも書きます」第二弾です。(第一弾は『Prison 月の格子』)
ただこの話他の人が読んだらイタかったりしましたかね?・・・だったらすみません。ほんとごめんなさい・・。
ちなみにちょっとだけ『月の格子』の描写を伏線に使ってみました。あの時のアッシュの欲しかったものを今の彼は手に入れてるカンジです。でもそれゆえに切ない感情も手に入れます。
この話のサブタイトルは『アッシュ。自分の気持ちに気づいちゃった?!の巻』です。この先を書くとウチの2人はA×英になったりするのですが、皆さん読みたいですか・・? この先はR指定モドキになってアップするのに勇気がいるから読みたい人がいるなら上げようかなぁ。だなんて。ちなみにこの先を書くとしてサブタイトルをつけると『英二。恋の猛アタック。アッシュはそれに耐えられるのか?!の巻』です。冗談です(笑)
とにかく。私の妄想を最後まで読んでくださった方々。本当にありがとうございました!


7作目「One day  なんとなく。幸せ。」をアップした小葉です。

今回は、
文章軽め。内容穏やかめ。起承転結のない起伏のない淡々とした仕上がりになっております。できれば、ゆったりした気分のときにお読みください。忙しいときに読んだらなんじゃこれ?の気分になるかも。
・・・・・。
毎回。アップするときは、「これ。他の人が読んでも楽しいのか?」と不安になりながらアップしておりますが、今回も力いっぱそう思います。今回は力いっぱい思ってしまいます。嗚呼・・。

これ読んでちょっとでも楽しんでくださる人がいればいいなぁ。

最後になりましたが、前回の「Snapshots 僕とカメラと写真と君と。」にたくさんの拍手といくつかの暖かいコメントをいただきましてありがとうございました。あれも不安になりながらアップしたので、反応をいただくと天にも昇れるくらい嬉しかったです。「感動した。泣けた。」とのコメントをいくつかいただきましたが、こっちはうれしくて顔がにやにやと・・(笑) 前回のつれづれに書いた、山崎まさよしの「One more time, One more chance」を明るいトーンでハナウタしながら晩御飯作ったりしました(←馬鹿)(ちなみに「Cherry blossomes きみはきれいだ。」に反応をいただいたときは、w-inds.の「キレイだ」が脳内パワープレイ。題名つながりなだけ。意味はない。)
はじめてのブログにコメントを書くというのは非常に勇気の必要なことだと思います。少なくとも私はそうです。ですからコメントをいただけるというのは本当にありがたいことだと思っております!そして拍手は次の作品への原動力となります。ありがとうございます!

それでは、いつもこのブログを見てくださってる方も、初めましての方も本当にありがとうございました!
コメントありがとうございます!
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>aiaさん
そんな~~。謝っていただくような事じゃ全然ないですよぅ~。
o( ̄Д ̄o)(o ̄Д ̄)oドーシヨドーシヨ。
こちらこそ、「夜」のリクエストにお答えできなくてごめんなさい。あの話を書いた時も、夜のアイディアがあったら書いたんですけど、なかったので「いいや夕方で終わっちゃえ。6時てもう夜だよね夜!」とかテキトーに終わっちゃって、もうなんか返ってすみません・・。
私の話は「こんな場面とこんな場面を書きたい!そしたらこうなっちゃった。えへ。」という程度のものなので、そんな「考え」とかたいそうなものはありませんよ~~。
まぁ。その話はもう置いといて。
そうなんですよ。追記読んでいただいて良かったです♪。最初にアップしてから1時間後くらいに書いたからまだ間に合うかな~。とか思ってましたが、そうですか。間に合ってませんでしたか・・。もう一度見に来ていただけてよかった・・。
大事なことを書くの忘れてたんですよねー。ホント。すみません><
今まではもちろん原作の絵を思い浮かべて書いてたのですが、今回の話はaiaさんのブログで「初めまして(笑)」をした次の日の朝に思いついて、朝パソコンにダ~~~ッと思いついた事を打ってから会社に行きました。
ええ。朝の6時前ですけど何か?(笑)
(「もうホント私、なにやってんだろホント。夜とか睡眠時間削ってまで、いい大人が馬鹿なんじゃない?(ため息)」って最近思うのですが、みなさんから拍手とかコメントもらえると、「ま。いいか。楽しけりゃ。」なんて(苦笑))
わたしこそ、aiaさんの絵で動いてる2人を想像して書いたり、aiaさんにこの話で絵を描いてもらいたいなぁ。とかフトドキなことを考えながら話を書きましたので、aiaさんの「夜リク」くらいかわいいもんですよ。
オマケでなんか書きたいんですけど、実はリクエストいただいた時には次の話を思いついちゃってそれ書いちゃってて180度傾向の違う話で頭の中がそれでいっぱいになってて、なんにも出なかったんです。はぅ(ため息)ほんと申し訳ないです・・。

で。

幻魔対戦。
キヤガッタ━━━Σ(゚д´;ノ)ノ━━━ッッッ!!!!!
私の人生の中でエポックメイキング的な(←ワリと大げさに書いてます(笑))映画ですね。
私。SFが大好物でして、子供の頃これ見たときは、なんじゃこれ的な衝撃でした。
登場人物の名前とか全然覚えてないんですが、絵とか場面とか主人公の葛藤とかまだ覚えてますね。
アニメなのに、今思えば子供向けのアニメじゃなかったですよね。あれ。
そして、キャラデザが同じだといって興味を持って観た「AKIRA」ですよ!
あれも期待を裏切らないかっこいい絵と話でもうすごいの一言だった。
そして、(連載当初は)その2つの絵に似てた「BANANAFISH」となるんですねー。
すごいですねー。つながりましたねー(笑)

ところで先週末AKIRAをまた見たいなと、いそいそとTUTAYAに行きました。が。レンタル中。
なんでー><。
あんな古いアニメなのに、レンタル中て、
『一体お前(注:レンタルしている人)は誰やねん!仲間か?!』
って(心の中で)叫びました(笑)。
ちなみに今日もなかった。なんでーー><。 早く返して~。

ま。とりあえず(←急にまとめに入りました。)全然気にしないでください。ってことで。
また気軽に遊びにきてくださいね~~。
コメントありがとうございます!
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>jerry様
こんばんわ~。すごく良かったとコメントくださってすごく嬉しいです。まさか「すごく」が付くとは思わず、(ほら。題名も「なんとなく」だし。)こんなのでも書いてよかったな~。と思いました。ありがとうございます! 
平凡で淡々とした日々というのは本当に大事なものだと思います。コメントを読ませていただいてちょっとホロリとしてしまいました。jerryさんに幸せな気分になっていただいたと書いていただいて・・。嬉しいです。(*´v`*)
ところで、jerryさんのブログの非承認コメント欄に書かせていただいたことがちょっとでもお役に立てたようでよかったです。
浅い知識なので、すぐにご本人も気づかれるだろうなと思ったのですが、なんか覚えがあるようなお悩みだったので(苦笑)
今後も楽しんで絵を描かれることをすんごく応援しております!パソコンで疲れた顔をするよりも、楽しんで笑顔でいたほうがご家族もまた楽しいかと思います!(←生意気なこと言ってすみません)
また遊びに来てください。Gleeでもなんでも。私も行かせていただきます~~。
コメントありがとうございます!
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>名も無き読者様
まぁ~~。また来てくださってすごく嬉しいです!ありがとうございます!
名も無き読者様のコメントは前回もそうですが、すごくちゃんと読んでくださったんだなぁ。と思います。書いてよかった。載せてよかった~。と思いました^^
「コミカル」とコメントくださってすごく嬉しいです♪コミカルにな~れ。な~れ~。と思いながら書いたのです。が、書き終わったら(書き終わる前もですが)何回も何回も読み直すんですよね。あっちの言葉こっちの言葉と、入れ替え差し替え、足し算引き算。そのうち、自分では面白いと思ったセリフも、よくわからなくなってしまって・・。でも今回の初心は「コミカルな日常」でしたので、そうコメントいただくと、「ま・・間違ってなかった・・」とほっとしました^^
「飛ぶ」と「跳ぶ」にもコメントくださってありがとうございます。これまた裏事情になるんですが、私は話を思いついたら、忘れないうちにざーっとセリフと情景を箇条書きにしたりします。いい文章があれば書きますが、最初はあんまり思いつかないです。この「飛ぶ」と「跳ぶ」も最初の箇条書きではわかりやすいので書いて置きました。
今回の2つ目の初心が「文章をシンプルに」でしたので、このまま残してもいいんじゃない?と思って残してみたものの・・。うーん。シンプル過ぎ?とか思ったりもしてました。でも、やっぱりそうコメントいただくと「ま・・間違ってなかった(part2.)・・」とほっとしました(笑)
「アッシュが欲しくて欲しくて堪らなかった普通の何気ない日常」・・・そうですよね。私はイーストサイドの59丁目のアパートメントの日常をたくさん想像してしまいます。なるべくアッシュに幸せな経験をしていて欲しかったからです。そして幸せな2人を思い浮かべて私1人でニヤニヤしたいからです!(←変なやつがいる。)『1人ニヤニヤ』では飽き足らず誰かを巻き込めればいいなと思って作成したのがこのブログなのですが・・。『皆でニヤニヤ』に巻き込まれてくださればありがたいです(笑)
ああ。「晩御飯」が気になりますか・・。他の方のコメントにも「夜」のリクエストがあったのですが、夜はロクなものが思いつかず・・。うーん。うーん。思いついたらまたこっそり『オマケ』をつくりたいと思います。
それでは本当に嬉しいコメントありがとうございました~~。気付けば長くなってスミマセン・・。また読みに来てやってください♪
ps追記
あ。そうだ。私もミセス・オーエンになりたいかも(笑)。いいですね。その案(笑)。英二と料理の話できるし。2人がじゃれてる姿みれるし(笑)。名も無い読者様がオーエン夫人になっていただいて。私はミセス・コールドマンになりたいと思います!(笑)



>aia様
aiaさんこんばんわ~。早速読んでくださって、しかも「モーレツにニヤニヤ」してくださってありがとうございます~~(笑)よかった。書いてよかった~~。
図書館でのやりとりを気に入ってくださいましたか?わたしはセリフをセリフで”切り返す”って事が好きで、「自業自得」のセリフもちょっと自分の中でも気に入ってます^^
夜までの2人は3パターン程考えたんですが、どれもしっくりこず・・。すでに覚えてないほどしっくりこず・・。うーん。なんかいいのないですかね?(←聞くな聞くな。)
てか。夜までの2人で「健全」で「萌え入れて」って難しいです~~>< ご期待に添えなくて本当にごめんなさい。
そうなんですよ。「何気ない普通の日常」が2人にとってとても貴重で幸せなものだったと思っています。
アッシュは英二とのそういう時間が本当に幸せであったのではないかと思います。
本当にいつも暖かいコメントありがとうございます。また遊びにきてくださいね~。

ps追記
そうそう。大事な事を言い忘れてました!
この話はaiaさんの原作寄りなのに何か暖かな絵を想像して書きました!
「心から、そう、思った。」の空気感がとてもいいな。と思って。
セリフ大目にしちゃったから空気感は間逆ですけど・・。
小説でああいうの書いたら行間をひたすら情景に埋めないといけないですよね。そういうのも書いてみたいですけど需要がないだろうなぁ。
だから「夜」のリクエストもしていただいてとても嬉しかったのですが、お答えできなくて本当に非常に申し訳ないです。><
AM10:16 59丁目アパートメント自室にて。

ある晴れた日。めずらしくアッシュは早く起きていた。
彼にしては早い朝食を摂った後、上着に袖を通しながら英二に言った。
「図書館まで行って来る。」
「ちょっと待って。僕も用意するから。」
「おい。俺は連れて行くとは一言も言ってないぞ。」
「本を探すの手伝うからさ。」
「お前を連れて行くと、暇だのまだ終わらないのと騒ぐからうるせぇんだよ。」
「僕はね。アッシュ。1週間も外に出てないんだ。ストレスがたまってたまってもう・・」
英二が下を向き、悲壮な顔でアッシュに訴える。アッシュにはわかっていた。演技だ。
「勝手にしろ・・・。」
「いいの?」
英二の顔がパッと明るくなる。
「良いとは言ってない。」
「じゃぁ。勝手にする。」
アッシュは諦めた。
英二がカメラをいそいそと取りに行く。
「何でカメラなんだ?」
「帰りにセントラルパークにでも寄ろうよ。」
こいつにだけは敵わない。アッシュはそう思った。




AM11:56 ニューヨーク市立図書館にて。

静かな図書館の中。目の前の本に集中していたアッシュがふと、隣に目を向けた。
今日の英二はめずらしく早く帰りたいと文句を言わないと思っていたが、目をやると彼は開いた本を手に持ったまま眠っていた。
たまに頭が小さくカクンと落ちるが、また顔を上げそのままの体勢で眠っている。
ー器用なやつ・・。
そこへ図書館員がやって来た。肩を軽く叩いて英二を起こす。
英二はハっとなって起き、図書館員に消え入りそうな声で謝っている。
図書館員が静かにそこから離れていった。
バツの悪そうな顔で英二はアッシュに小声で話しかける。
「なんだよ。君。起こしてくれてもいいじゃないか。」
「自業自得の意味を辞書で引いて来い。」
「ちぇ。」
短く悪態をついて、どこへ行くのか立ち上がった英二にアッシュはすかさず声をかけた。
「辞書コーナーはアッチ。」
「トイレだよ!」
ちょっと大きい声を出してしまった英二に周りに座っている人から刺さる視線が痛い。
英二は顔を真っ赤にしてその場を離れた。
アッシュは本に顔を隠して笑いを堪えた。その肩は震えていた。



PM1:26 ニューヨーク市立図書館にて。

暇だ暇だとつぶやく英二に、そろそろ飯でも食いに行くかとアッシュが声をかけた。
2人は図書館を出て階段を下りていく。
「昼飯。ホットドックとラーメンとどっちがいい?」
「・・・・なんで二択?」
「久しぶりにラーメンが食いたい。」
「僕に聞いた意味ないよね?」
「じゃあホットドックにするか。」
「ラーメンでお願いします・・。」




PM3:02 セントラルパークにて

昼下がりのセントラルパークには様々な人がいる。芝生で寝転んでいる人、ジョギングしている人、都会の喧騒を逃れて皆れぞれの楽しみ方をしていた。
「英二。あのオッサン見てみろよ。」
アッシュの指す方向に英二が目をやると、中年の男性がベンチに座って本を読んでいた。いや違う。本を持ったまま眠っているようだ。
「え?何々?」
「さっきのお前。あんなカンジだった。」
その時、男性がガクンと頭を落とした。ハッと目が覚めたようだ。
辺りをキョロキョロと見渡してる。その姿はどこか笑いを誘うものだった。
「・・・・・。」



PM3:52 セントラルパーク内にて

2人の子供が緑道の先から風船を持って駆けて来る。
じゃれあうように笑い合うその姿はいかにも楽しそうだ。
そのうちの一人がアッシュに勢いよくぶつかった。
アッシュは子供を受け止める。
子供は転けながったが、子供の手から風船が離れた。
風船が飛ぶ。
英二が跳ぶ。
英二の手が風船の紐を捕まえた。
「ほら。前を見て走らなきゃダメだよ?」
地面に着地した英二は屈んで子供に目線を合わせ、この上なくやさしい笑顔で子供に風船を渡した。
子供達は2人にお礼を言って元気よく駆けて行く。
英二に向けてアッシュが感心したような笑みを口元に浮かべる。
「やるじゃん。」
「まぁね。」
英二も得意げに笑い返した。




PM4:32 セントラルパーク内にて。

英二は公園内にある池のキラキラ光る水面を撮ろうとしていた。
ファインダーを覗きながらどんどん水に近づいていく。
危なっかしい英二のその様子にアッシュが声を掛けた。
「気をつけろ。」
「うん。大丈夫。・・・わっ。」
「英二?!」
水面に近づきすぎて体制を崩した英二の後ろ襟をアッシュが掴んで引き上げた。
間一髪でカメラも英二も無事だった。
「・・・・・・・・」
「だから言ったろ。」
「うん。ごめん。」
「あやまるぐらいなら最初からすんなって。」
「ごめん。」
「・・・・・。」



PM5:32 59丁目アパートメント1階スーパーマーケットにて。

英二が真剣に食材を選んでいる脇でアッシュはうんざりした顔でショッピングカートを押していた。
英二がカートに食料を放り込んでいく。
アッシュが自分の嫌いなものをカートから棚に戻していく。
「もう!アッシュ!だから先に帰ってっていったのに!ついて来てって言ってないだろ?!」
「言われてないのに、図書館までついて来たヤツは誰だ?」
何か言い返そうと英二は口を開いた。
そこへミセス・オーエンが通りかかる。
「こんにちわ。クリス。英二。いつも仲がいいのね?」
「「こんにちわ。ミセス・オーエン。」」
2人ともにこやかな笑みを作って声を揃えて挨拶を返した。



PM6:11 59丁目アパートメントエレベーター内にて

2人はエレベーターに乗り込み12階のボタンを押した。
根菜や肉でいっぱいになったレジ袋を重そうに持った英二が呟く。
「あー重い。これから晩御飯つくると何時になるかなぁ。」
「だからデリカテッセンでいいっていったろ?」
「惣菜ばかりじゃ飽きるだろ?」
「別に。」
「これだからアメリカ人は・・・。僕が、ヤなの。もう。アッシュうるさいよ。」
「図書館でのお前程でもねぇよ。」
アッシュは読書を邪魔されるのがよっぽど嫌らしい。これからはもうちょっと静かにしようと英二は反省した。




PM6:20 59丁目アパートメント自室にて

「飯。できたら起こして。」
帰るなりアッシュがソファに寝転がり、そこにあった雑誌を開いて顔の上に被せた。
「はぁ?君。一度寝たら起こすの面倒なんだけど!?ちょっと。アッシュ!」
顔の上の雑誌を取り上げて顔を覗くとアッシュはすでに眠っていた。気持ち良さそうな寝息をたてて。
「まったく。」
小さなため息をついて、英二は手に持った雑誌をテーブルの上に置いた。
「今日の夕飯。何が出て来ても文句言うなよ?」
英二はキッチンとは逆方向ー大きな窓まで行ってカーテンを締める。
アッシュの顔に当たっていた夕日の光が遮られた。
そのままキッチンへ向いながら英二は思う。

ーずっとこんな日が続けばいい。

なんでもない穏やかな日々。







最後まで付き合ってくださってありがとうございました!
ど・・どうでしたでしょうか。楽しんでいただけましたでしょうか。
山なし、落ちなし、意味ぜんぜんなし。の7作目でした。(略して「やおいZ」)
なんでもない日々が本当に幸せなことだと、ワタクシは日々幸せを噛みしめております。
決して今日が休日で今ちょっと酔っ払っているからだというわけではございません。
(いやー。いいですよね。休日のお酒って。)
この話は起伏がなく途中で飽きちゃった方もいらっしゃったかと思います・・・。
アクションもないイベントもない萌えもない、なんでもない2人の日常に、なんとなく幸せを感じてくださったら嬉しいなぁ。と思いますが、どうでしょう・・。自信ない・・。地味すぎて・・・。
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございました!
こんにちわ。6作目「Snapshots 僕とカメラと写真と君と。」をアップした小葉です。

前回のつれづれで2作くらい書き溜めてからアップしようかな。とか書きましたが、この話はその2作とは違ってここ3日くらいで思いついて書いたものです。
タケノコのように勢いよく書きましたが、内容は英二が過去を振り返るしっとりしたカンジになっておりますので、できれば時間のある時にでもゆっくり読んでください。


どうしてこの話を思いついたかというと、
私は写真を撮るのが好きでなかなか出来上がらない小説をアップする代わりに「英二のカメラと写真について」の記事でもアップしようかな。と、マニアックにつらつらと英二とカメラと写真のことについて書いていたのですが、そしたら想像が膨らんでこんな事になりました。

タケノコのように書いた&マニアックなだけあって、これ他の人が読んでおもしろいのかしら・・・といつにもまして不安ですが。
まぁ。できたからアップしちゃいます。

ちなみに、この話は9つのシーンでできています。
7番目のシーンのBGMは山崎まさよしの「One more time, One more chance」です。
有名な曲なのでご存知の方も多いと思いますが、興味のある方は
この小説を読んでから歌詞を見てみてください。くれぐれも歌詞を見てから小説を読まないよう・・・(素晴らしい歌詞に小説が負けちゃうから)
歌詞はコチラ

前回の小説をアップしてからたくさんの拍手をいただきました。本当にうれしくありがたいことだと思っています。
それでは、いつもこのブログを見てくださってる方も、初めましての方も本当にありがとうございました!
コメントありがとうございます!
9/19以前のコメント返礼は、この記事の一番下の「次ページ>>」ボタンからお戻りください。m(*_ _)m


>jerry様
こんばんわ!新作読んでくださってありがとうございます!
新作はしばらく待たないといけないと思われていたのですね。私もそう思ってました(笑)
2ヶ月後くらいかなー。とか。
でも、ちょっとした幾つかの気付き&意識改革をしまして、早く今のうちに小説載せなきゃ!と思い立って。
でもなかなかできなくて・・。英二とカメラについての記事を書いていたらこんなことに。
英二とカメラの事について考えてよかったw
jerryさんもカメラに興味を持たれたことがあるのですね。「すごくお金が掛かる」と聞いてやめられた・・・
jerryさん。世の中には中古カメラとか中古レンズとか素敵なものがございまして、身の程を知った楽しみ方もあるのでございます。ヤフオク万歳!
jerryさんは絵を描かれる方ですので、もしその気になって写真を撮ったら素敵な写真を撮られることでしょうね^^
ちなみに私はカメラも好きですが「写真を撮るのが好き」というスタンスです。高いカメラより撮ってナンボでございます。でも欲しいです。だから説得力ないです・・。
ちなみに6作目の作中で、伊部さんとアッシュが英二に買い与えてる(笑)カメラはその時その時の最新鋭。
読んでくださった方にはわからないカンジで、2人とも力いっぱい英二を甘やかしてますww。いいなぁ。英二。
カメラの説明もそうでない部分も説得力があったとのとても嬉しいコメントありがとうございました!
英二のカメラとの出会い、成長、アッシュへの思いの絡ませ方が見事だとのコメントもありがとうございます。
書いてみたらそうなってたので、そんなコメントをいただいてしまうと「ま・・まとまってよかった。」とココロの底から思ってしまいました(笑)。
いつも本当に過分なお褒めの言葉で照れてしまいます~。
それではそうですね。カメラネタをまた思いつけばぜひぜひ書いてみたいと思います!
嬉しいコメントありがとうございました~♪



>aia様
びっくりしました。拍手のページを見たら一番上がaiaさんでコメント欄の文章の最初に(つづき)って書かれてて。
「(つづき)って何だろ?日曜に下さったコメントの?」とか思ったら本日の2件目(笑)
ざっと下のコメントを見たところ1件目は(つづく)で終わってて、ちょっと笑ってしまいました。aiaさんのそういうところが可愛らしくて萌えちゃいますヾ(*≧∀≦*)ノ。(年上の方だったらホントごめんなさい)
そして、とても暖かくてやっぱり可愛らしいコメントありがとうございました。
「ちょぴり泣けてやっぱり微笑ましいお話」とのコメントありがとうございます。そっかー。そんな暗くなかったですか?自分ではちょっと暗いなぁ。と思った分なるべくA+英の会話を出来るだけ「軽くな~れ。軽くな~れ。」とがんばって書いてみたのですが、短い場面にそんなに長くセリフを入れられなかったので、伝わんないかなぁ。と思っていたのです。(ショーターには堂々と馬鹿馬鹿しいコメントを言ってもらいましたが。)
ですので、そういっていただけると嬉しいです♪
あと「書きたいものを書きたいように書いてくださいね」とのコメントもありがとうございました。基本私は今まで自分が文章を書くのが苦手だと思っていたので、コメント欄などに自信のなさが溢れ出してしまって申し訳ないのです。このブログをはじめてから、いろんな方に小説を読んでいただいてaiaさんをはじめ皆様に暖かいコメントまでいただいて、とても嬉しく思っています。
そーですね。出来たものは迷わず出してみようかな。でもなー(←これこれ。これが迷いですよね。)基本小心者なので、これからも多分できたものをアップするときは毎回不安でドキドキしてやっぱりやめようとか思ってしまうと思いますが、それでもなんとかがんばってアップしたいと思います。その時はまた読んでやってください!
そしてまたぜひぜひ何処となりとも遊びに来てください。私も遊びに行かせていただきます~。でも今日はお風呂入って寝ます(笑)毎朝5時30分に目覚ましかけて仕事に行ってる小葉でした。
(てか、aiaさんのブログの(他の方へのですが)コメント投稿時間、すごい時間ですね。朝の3時とか。眠ってます?眠ってます?)
それではこの辺で~。

コメントありがとうございます!
9/18以前のコメント返礼は、この記事の一番下の「次ページ>>」ボタンからお戻りください。m(*_ _)m


>RIU様

カメラ女子キタ━(゚∀゚)━!(笑)
そうなんですね。RIUさんはEP-3を持ってるんですね。いいなぁ。ちなみに私の主力カメラはEP-2のブラックボディです。^^やっぱり女子はだまってPENシリーズですよ!
RIUさんがおっしゃるとおりデジカメになってからプリントしたものをじっくり見ることが減りました。フィルムと違って枚数に制限がない分、あり得ないほどシャッターを切るのですが、ザックリ見返して終わりとか。写真まで見ていただいてありがとうございます♪感激したって言ってくださってこちらが感激です~。最近は花写に凝っいるので褒めていただいてうれしいです。小さな花が集まってるのはカランコエではないようでした。アップで撮ってますがもっともっと小さい花の集まりでした。RIUさんもEP-3で素敵な写真を撮ってください♪
最後になりましたが、「僕とカメラと写真と君と。」を読んでくださってありがとうございます。楽しんでいただけましたでしょうか?写真関連のお話を楽しみにしてくださるとコメントしてくださってありがとうございます。そうですね。また今度は明るいSnapshotsを書ければいいなと思ってます。楽しいコメントありがとうございました!
>ナナ様

はじめまして!「僕とカメラと写真と君と。」を最後まで読んでくださってありがとうございます。
しかも最後は泣いてくださったなんて・・・。
最後のセリフへ続く何行かは自分でも一人のバナナファンとしてしんみりしてしまうものだったので、そう言ってくださると本当に書いてよかったなぁ。と心から思います。
ナナ様がおっしゃるとおり、本当にアッシュが生きていたらどんなに幸せだったか・・。でも確かに死んでしまったからこそ原作が終了してからこんなに経つのにまだネットで2次創作が上がるほどみんなの心に残るお話でもあるんでしょうね・・。
「カメラが好きなんだとよくわかりました!」とのコメントに笑ってしまいました。やっぱり?よくわかりました?(笑)
って言っても難しいことはわかんないし、こちらも万年初心者の気分で楽しむ程度のものですが・・・・・好きなんです(笑)
だからこその説得力だと言ってくださってありがとうございます。よく「嘘をつくときは何%かの真実をいれるとバレにくい」とか言いますが、小説もそんな感じなんですかね?と小説を書く事の超初心者の私は書き始めてこちらそう思っております。でも私の書くカメラの事を信じないでください。その中にもウソが紛れてます。(←どっちやねーん)
これからアップする小説もご期待に添えるものかわかりませんが、私なりにボチボチやって行きたいと思いますので(少なくとも後2つはネタがあります)お時間のあるときにまた読みにきてくださいね♪
嬉しいコメントありがとうございました。アップしてよかった。次もがんばろうと心から思いました!






>aia様

6作目を読んで「とーーーっても泣けてきた」とコメントくださって、ありがとうございます(笑)
この小説は泣かそうと思って書きはじめたのではないのですが、途中から「もしかして・・泣ける?泣ける?」と気付いてから(笑)ちょっとその方向に・・。でも最後はちょっとでも英二の心を明るくしなければ、と思いアッシュのコーヒーネタとか入れてみたり。小説を書くことは超初心者なのですが、書くって色々あるんだなー。としみじみ思いました。だからラストで笑ってしまったとコメントしてくださって。嗚呼。「ちょっとでも明るくなれなれ大作戦」成功したか。と思って嬉しかったですww。
でも自分では1人のBFファンとして最後のセリフでしんみりしちゃったり。ラストシーンを書いたときは一人でも切ない気持ちになってくれればいいなぁ。とか思ったり。ホント小説を書くって色々あるなぁ。
視点を褒めてくださってありがとうございます。でもただのカメラ馬鹿なんで・・・。
aiaさんは絵を描かれるだけあってコメントを読ませていただくと、私が書いたつたない文章でも場面をしっかりと思い浮かべてくださるんだなぁ。といつもありがたく思います^^。ビバ!想像力!(笑)もし、私の書く小説がaiaさんの思い描いてるBFワールドと近くに感じるのであれば、それはとっても光栄な事だなぁ。と思います^^。
私もaiaさんの「Vol.3 生まれてきてくれて、ありがとう。」の英二とアッシュのくだりにやられた感をカンジた事が・・。(こんなところでごめんなさい。でもあのストーリーはホントいいですね。)
私の方こそaiaさんとお付き合いしていただいてとても嬉しいです♪ aiaさんのブログに勇気を出してコメントしてよかった!ある日の深夜にコメントを書く勇気がなくて全ての絵にナイスを1つずつ付けていったのは私です。(すみません)
ただ、私はホント小説書くのが超初心者なので、これから期待に添えないことも多々あると思います・・・。今出来上がりそうな2つの小説もちょっと原作から外れてるなここ・・とか思ってどーしよーかなー。とか迷ってます。
迷うというと今回の小説も暗いので載せようか載せまいか悩んだのですが。嬉しいコメントをいただいて。やっぱり載せてよかった。と思えることができました。本当にありがとうございました!またぜひぜひ遊びに来てください♪





>名もなき読者様

はじめまして!とても嬉しいコメントありがとうございます。
「僕とカメラと写真と君と。」に感動してくださったとのコメントを読ませていただいて、こちらが感動してしまいました。ありがとうございます。ラストシーンを書いたときは一人でもそうい切ない気持ちになってくださればいいなぁ。と思って書いたので。そういう気持ちになってくださった方がいて、しかもコメントまで書いてくださって、読んでくださったんだなぁ。本当にアップしてよかったなぁ。と思いました。
アッシュの死後英二は何を思ってシャッターを切り続けたのか・・。
英二はアッシュの死を理解はしたと思うのですが、感情的には受け入れられなかったと思うのです。
そしてNYを徘徊(笑)して、アッシュの影を探します。寂しい写真を撮り続けます。でも、撮り続けていくうちにアッシュの生きたマンハッタンの愛すべき面を徐々に写真に収めるようになってきて(それは花屋の花だったり、楽しそうな子供だったり)。とても彼らしい暖かい写真を撮るようになっていったのではないかと勝手に想像しました。その辺りでニューズ・ウィークに見初められ連載して2年後くらいに個展を開くという。小説では全然書ききれなかった私の妄想です。
ところで・・。
アッシュは撮られるばかりで英二を撮った事ってあるのかどうかというコメントですが。
・・・何それ。超萌える。(ハッ。失礼しました。)
な・・なるほど。その考えは思い浮かばなかった。そのコメント読ませていただいてから妄想が広がる広がる・・。
・・・広がるなぁ(←うるさいって)
またなんらかの機会に形にできればいいなと思いました。
本当に嬉しいコメントをくださりありがとうございました!
できればまた小説を読みにきてください♪

1. 中学の修学旅行に持って行ったカメラのメーカー名は覚えていない。

「母さ~ん。カメラどこ~?」
居間の押入れの中を探しても探してもカメラが見つからない。明日修学旅行なのに。まいったなぁ。
「英二?まだ起きてるの?早く寝なさい。」
「だって、カメラが見つからなくて。」
「カメラ?ここにあるじゃない。」
洋服ダンスの下の引き出しからカメラが入った箱がでてきた。
なんでそんなところに・・・。
母はとても懐かしそうな笑みを浮かべながら、買ったときのままの箱を開け、黒い皮ケースに入っているカメラをそこから出した。説明書まで一緒に出てきた。
「このカメラはね。新婚旅行の時お父さんが買ってくれたのよ。」
古・・・。
「あの時のお父さんは本当にうれしそうに写真を撮ってくれたわ。10本もフィルムを使って、帰ってきてからの現像代に青くなっていたのよ。」
少し嬉しそうに語る母のことをかわいいと思ったのはそれが初めてだ。
「・・・大事に使ってね。」
時代遅れのカメラを母はそっと皮ケースにしまって、丁寧に箱に入れた。説明書も箱の中に入れる。そして僕にそれを手渡した。

両親の思い出のカメラで僕はたくさんの写真を撮った。
友達の写真を撮るのはこんなに楽しいのもだと僕は初めて知ったんだ。




2.僕を撮りに来た美術大学生の持ってたカメラは国産の最新鋭カメラだった。あのカメラは今でも彼の元で大事にされているらしい。

「へぇ~。Nikon・・のFE2?すごいですね~。」
「そうなんだ。やっぱり男は黙ってNikonだよ。英ちゃん。このカメラの良い所はねー。」
伊部さんは煙草を燻らせながら手に持ったカメラがどれほどすごいかを熱く語り出す。
僕の棒高跳びを撮りに来ている伊部さんは僕の家に泊まっていた。
『東京から来た』『美大生で』『僕を撮りに来て』『コンクールに出品する』という彼は、田舎の普通の高校生の僕にはすごくキラキラして見えた。
カメラの事はよくわからなかったけど、彼が手に持っている頭が銀色で黒いボディのカメラがとてもカッコよく見えて。
僕は分けもわからないまま、彼の話を聞いていた。
あれから僕はどれほど伊部さんにお世話になっただろうか。どれだけ感謝してもしきれない。

君に会えたのも伊部さんがいたからだ。




3.名ばかりのカメラマン助手になって初めて自分のものになったカメラは伊部さんのお下がりのCanon A1だった。このカメラは僕の写真を出品したコンクールの賞品で貰ったらしい。初めての一眼レフの写りはとてもシャープで、僕はシャッターを切ることに夢中になった。そのカメラは今は手元にない。

「やめろ。」
厳しい口調で君が僕を制した。
それはグリフィンに投薬された薬物の秘密を追ってL.A.までオンボロ車で旅をしてる途中だった。
あの時の僕達はまだ出会ってそれほど経っていなくて、59丁目のアパートにいた頃よりも君はまだまだ僕に警戒心があったように思う。今から思えば本当に猫みたいだ。都合のいいときは寄ってくるけど、何が気に入らないのかふとした時にこちらを威嚇する猫。
でも僕はショーターと3人でワイワイとやるのが好きだった。
その時も、君とショーターが楽しそうに笑ってる姿を何の気はなしにカメラに収めるべくシャッターを切ってみただけだったんだ。君のきつい瞳と制止の声に僕は驚いた。
「勝手に撮ってんじゃねーよ。」
「なんで?」
「写真は嫌いだ。」
「どうして?」
「どーしたもこーしたもねぇよ。」
そんな問答をする僕達の間にショーターが割って入った。
「まぁまぁまぁ。そんなにカッカすんなよ。英二に悪気なんてないだろう?それにプロのカメラマン(助手)に撮ってもらって、将来こいつの知名度が上がって、オレの写真も有名になって、女の子達が『誰?あの人誰?』とかなって、『キャー。ショーター様~』とかなって、一躍スターになれるかもしれないじゃないか!」
「ハッ。くだらねぇ。」
「悪気?・・なんてないよ。ただ君たちがすごく楽しそうだったから・・」
僕はちょっと言いよどんで下を向いた。でもアメリカでは自分の意見をちゃんと言わないといけない。まだまだ英語が苦手だったけど、苦手なりに顔を上げて自分の気持ちを伝えてみた。
「楽しい時間を写真に撮って後で見返すともっと楽しくなるよ?知らない人に撮られるなら嫌だけど、友達に撮ってもらって後で皆で見返すとすごく楽しいから!現像したら見せてあげるよ。僕も君やショーターと見たいよ!」
笑顔で言い切った僕に、なぜだかショーターが感動してる。なんで?
「英二!お前は本当にいいやつだ~。」
「・・いた・・痛いよ。ショーター・・ちょっ」
ショーターに羽交い絞めされて、頭を乱暴にぐりぐりとなでられた。
君はいつもの通り仏頂面だったけど、きつい眼差しが少し和らぎ口元もほんの少し上がってるように見えた。

『写真を見返す事は楽しい事だ。』

この時僕は本当にそう思ってたんだ。





4.59丁目のアパートメントで使ってたカメラは君がどこかで揃えてきた真っ黒いNikonの一眼レフとレンズ。ボディにはF3/T と表示されていた。メイドインジャパンのカメラにしてくれたのは、僕が日本人だから気を使ってくれたんだろう。

「うまくとれてんじゃん。」
「そうかな・・。」
向かいのコルシカマフィアの持ちビルに出入りしている人物の写真が現像できたので、僕は君に見せていた。
そのとき僕の肘が机に当たって、積み上げていた写真の束が崩れて床にバラ撒かれた。
まずい。その写真は・・。
バラ撒かれた写真を拾おうと屈んだ君が地の底を這うような低い声で僕に言った。
「・・お前。オレが寝ている間に黙って撮るな。」
「黙って撮ってないよ?今から撮るよ。ってちゃんと言ってる。」
小声でだけど。
「撮られたくないなら起きれば?」
「・・・・。」
この頃の僕は君に英語で軽口を返せるようになっていた。しかも君に口で勝てるようになっていたんだ。10回に1回くらいの割合だけど・・。
このアパートメントでは君と出会ってから一番たくさんの君の写真を撮ったよ。
笑ってる君。すねてる君。嫌味なくらいかっこいい君はどんな姿でも様になった。
写真を撮られるのが嫌だと言ってるワリには、出来上がった写真を見せるとちょっと嬉しそうになってたと思う。
本当に嫌ならもっと不機嫌になるはずだったし。

・・どうかな?




5.最後の逃亡中に持つことのできたカメラはポケットにも入る小さなコンパクトカメラ。妹が商店街の福引で当てた京セラのヤシカT AF-Dだった。日本から持ってきたカメラがこの時まだ僕の手元にあったなんて奇跡だ。そしてそれはまだ僕の手元にある。

「おはよう。」
珍しく夜明け前から起きていた君に声をかけた。
そこは老朽化した廃ビルだった。
早朝の刺すような冷たさの中で君は窓を開け放して、その古すぎて今にも外れそうな窓枠に器用に座っていた。長い足をもてあましながら片足を窓枠に立てている君は男の僕から見てもかっこいい。
僕は君に向けてシャッターを切った。
「撮るなって言わないの?」
「あきらめた。ここ数年でオレは学んだ。もうろくしたジジィ達には何言っても無駄だってな。」
「・・・・・。」
美しい朝焼けをバックにした君は信じられないくらいきれいな姿なのに、なんて口が悪いんだ。
「そうだね。僕がジジィの部類に入るかどうかは置いといて、僕は付いてくるなと言われても付いていくし、日本に帰れって言われても帰らない。」
「トシで耳がきこえねーんじゃねぇの?」
「ずっと君の傍にいるよ。」
君のそばにー。
君の動作が一瞬止まって、なんとも言えないような顔になる。僕は別に返事が欲しいわけじゃない。
「なんか飲む?」
「・・・ああ。」
飲むといってもお湯だけど。君と飲むと不思議とおいしかったんだ。

君もそうだったかい?




6.僕はカメラも持たずに再渡米したんだ。帰国しない僕を置いて一旦帰った伊部さんが、すぐにまた僕に会いに来た。

「これ。預かってたフィルム。LAの時の。」
「・・・・。」
「この時の君達は本当に楽しそうだった。逃亡生活だったのにね。」
「カメラはまだ預かってるよ。欲しくなったら連絡して。」
伊部さんと別れて、自分で借りた安アパートに帰った僕は、フィルムを現像もせずにクローゼットの奥の隅に投げ、上から雑誌やガラクタを積み上げた。

それから一度もあのクローゼットは開けなかった。



7.僕は初めて自分でカメラを買った。ドイツ産のRolleiflex SL2000F。中古カメラ屋で僕の手持ちの金額を提示したら勧めらられたのがこのカメラだ。このカメラは安かったけど正直今までのどのカメラよりも扱いづらかった。でもこの頃の僕にはどうでもよかったんだ。

「・・・シン。なんで付いてくるの?」
「んー。暇だから?」
冬のNYはすごく寒い。短い会話でも息が白くなる。
仕事がない時は、フラリとNYの街中にでるのが習慣になっていた。そして写真を撮る。
僕の散歩が長いときはシンがどこからともなく現れて僕に付き合った。
『あなたの写真はどこか寂しそうね。』
自分の写真を携えて売り込みに行った先の雑誌社でそう言われた。
僕はまだ探してしまうんだ。
あの公園に。あの角を曲がったところに。
マックスにはまだそんな写真を撮ってるのかと諭された。そんなことしても彼は帰ってこないと。
シンはこんな僕に何も言わない。忙しくないわけないのに黙って付いてくる。
僕もそんなシンに何も言わない。
その時チラリと白いものが目の前を掠めた。
「初雪か・・」

いつの間にか僕の背を追い越したシンが上を向いてふとそう呟いた。




8.写真の仕事が舞い込み始め、今まで使っていたカメラでは機能の面で物足りなくなってきた。人から借りて写真を撮ることも多い。真剣に写真の仕事をするのであれば・・・。

「お久しぶりです。」
『英ちゃん?!ホント久しぶりだな。元気か?!』
国際電話の向こうで伊部さんの懐かしい声がする。
『連絡くれないからさ・・本当に心配してたんだよ』
「本当にすみません・・・。」
『まぁ。いいさ。元気なら。最近どうだい?』
「あの。僕。今度、ニューズ・ウィークに写真を連載させてもらえることになったんです。」
『ニューズ・ウィーク!そりゃすごい!』
「それで、僕・・・。今古いローライフレックスを使ってるんですけど。」
『ローライ・・・。』
「伊部さんに以前いただいたCanonA1を送っていただけないかと思って。新しいカメラ買うお金がなくて・・」
まかせろ!すぐに送ってやるから!と伊部さんの気のいい返事が受話器の向こうから聞こえてきた。
国際電話は高かろうとその後すぐに電話が切れる。
そして数日後、伊部さんからカメラが届いた。
「NikonF90Sだ・・・」
包みを開けて驚いた。伊部さんのNikon好きは知っている。もはや信者に近い。
丁寧にパッケージされたカメラといくつかの交換レンズの間からメモが出てきた。この独特の字は伊部さんの字だ。

ーーーーー

英ちゃんへ。
この間元気な声を聞いて安心しました。
ニューズ・ウィークとの契約おめでとう!
これは僕からのささやかなプレゼントです。
とか言ってもレンズは僕のお古だけどね。ごめん。
きっとNYの街並みにはNikkorレンズの描写がよく似合うよ。
お礼の電話はいりません。国際電話は高いからね。
君は僕の一番弟子だからこれくらいさせてくれ。
でも弟子の方がえらくなっちゃうかもね。
それでは、日本から君の活躍を応援してます。伊部俊一。

ーーーーーー

「これって40歳近い男の人が書く文章じゃないよね・・」
軽いノリの文章は伊部さんなりの気遣いだろうか、それとも素なのか・・。
そのメモを読んだ僕は少し微笑んだ。
人づてに伊部さんも報道カメラマンとしての地位を着々と築き上げ、成功を収めていると聞いた。
Nikonか・・・。
59丁目のアパートで使ってたのもNikonだった。あのNikonはもしかして伊部さんに勧められた君が買ってきたものだったのだろうか・・。あのカメラは今はどこにあるんだろう。59丁目のアパートがどうなってるか僕は知らない。知りたくない。

僕はメモを持ってる手の甲で目頭を押さえた。


                       
  

9.個展終了後。

「お疲れさま。」
誰もいなくなった画廊の一番奥にその写真はまだ飾られていた。
小さな画廊を借りて行われた僕の初めての個展も無事終了し、片付けはこの写真を残して全て終わっている。
この写真だけは自分で下ろすからと、スタッフの皆に言って残してもらったのだ。
もの言いたげな暁を促してシンもスタッフと一緒に帰って行った。
僕はその写真の前でカメラと共に一人佇んで写真の君に話しかけてる。
傍から見れば変なやつだろう。
「個展が終わってやっと君とゆっくりできる時間ができたね。」
あの頃の自分達も逃げることやマフィアに立ち向かうことに忙しくてゆっくりしている時間なんてなかったけど。
2人で過した束の間の穏やかな日々で僕は君にコーヒーを入れた。
『英二。コーヒー。』
と命令形にもならない君の言葉に僕は、
『僕はコーヒーじゃないんだぞ。』
と必ず返してたっけ。
そしたら君がちっとも悪く思ってないカンジで
『Please.』
っていつも言うから。僕は肩を怒らせたフリをして結局キッチンに行ったんだ。
「君にコーヒーを入れて上げたいけど、ここじゃそういうワケにもいかないか・・」
僕は小さく笑った。
「そうだ。このカメラ覚えてる?」
手に持ったカメラを少し上げて僕は君に聞いてみた。
昨日、個展で君の写真を見たマックスが、目を見開いたかと思うと走って画廊を出て行ったんだ。
何事かと思っていたら数時間後に、このカメラを持って走って戻って来た。
59丁目のアパートで君に貰ったカメラだ。
あのアパートを引き払う時にマックスが僕に黙って預かってくれていたらしい。
このカメラを見ると僕が君の事を思い出すから。僕が君を吹っ切れないだろうからって・・。
「このカメラで君をたくさん撮ったよ。君は嫌がってたけどね。」
僕は目の前の写真の君に向けてカメラを構えた。
「勝手に写真を撮るなって今でも君は怒るかい?」
シャッター音が静かな画廊に響く。

これは最後の君のスナップショットだ。

ここ数年、僕は周りが見えてなかった。君のことばかり考えて。

僕は気付いたんだ。

僕の周りにはとてもやさしい人達がいる。

僕が君を思う気持ちは誰にも負けないものだと思うけど、

僕の周りの人達もそれに負けないくらい僕のことを思ってくれているんだ。

僕はそんな人達と共に、

「ーいつまでも君の傍にいるよ。アッシュ。」







最後まで読んでくださって本当にありがとうございます。
6作目はちょっとしんみりした話。でした。
私なりの「英二がアッシュの死をどうやって受け入れるか?」です。
まぁ。出来上がったらそうなってただけで、本当は「英二のカメラ遍歴」を書きたかっただけですが・・。
私は写真が趣味です。カメラも好きです。ここで持ってるカメラの種類と台数を言ったら皆さんが引くくらい好き・・。(instagram やってます。写真好きのスマホの方よければ遊びにきてください。PCではこちらhttp://instagram.com/cobarie
英二の人生を導いてくれた伊部さんに貰ったNikonと英二の人生を変えたアッシュから貰ったNikon。
2人の大事な人から貰ったカメラのメーカーが同じだったらなんて素敵じゃないかな。と思って。もうそれは運命の出会い。
BF好きでカメラ好きなそこの貴女。貴女の「英二のカメラ」をぜひ教えていただきたい。
Snapshots の名前をつけて写真ネタで今度は明るいA+英を書いてみたいです。
マニアックな小説に最後まで付き合ってくださって本当にありがとうございました!
>Lucy様

こんばんわ!コメントありがとうございます!
そうですよね。日本人ですもの。目の前の公園に桜が咲いていたらどうしても観に行きたくなりますよねー。うんうん。
温かいやほんわかした等のコメントありがとうございました。すごくうれしかったです。
アッシュが英二から流れてくる温かいものって何だろう?少しでも表現できればいいな。と思って書いたので。
2人はお互いのことをとてもとてもとても思いやっていたと思うのです。
もっとそういうのを書ければいいなぁ~。でも思いつかないしな~。
それではLucyさんの小説もとても楽しみにしています。また遊びにいきますね♪。
>RIUさん
こんばんわ!リンクの件快く引き受けてくださってありがとうございます!
私もNYには行った事はないのですが、桜ネタを思いついたとき。アメリカに桜・・・・ワシントンDCまで行かせるとか?いやいやNYにもあるんじゃないの?と探したらなんとセントラルパークに結構たくさんあるみたいで。
なんだ。2人のアパートの目の前じゃーん。とざっくりネタにさせていただきましたww。(セントラルパークの桜をブログを書いてくれてた人ありがとう)
ポカポカしてくださったとのコメントありがとうございます!RIUさんのお話も楽しみにしておりますのでまた遊びにうかがわせてくださいね♪



>jerryさん
こんばんわ~。5作目読んでくださってありがとうございます。楽しんでいただけましたでしょうか?
jerryさんはさすがに絵を描く方とあって、情景を「きれい」と想像してくださったみたいでうれしいです。光に透けていく(アッシュにとって)「きれい」な英二。桜の花びらが落ちる(英二にとって)「きれい」なアッシュ。お互いがお互いを「きれい」と思う春のきれいな日差しの中の日常を・・・出来上がったら書いていた(笑)という小説でしたので。
jerryさんは漫画も小説もあまり読まれないのですね。そんな中でBFが大好きで、こうして交流していただけるなんて偶然。素敵でありがたいなぁ。と思います。私にいただけるコメントに良いも悪いもありません。全てとても嬉しくて、本当に感謝しております!あと2話載せてみようと思ったのはjerryさんの励ましが大きいです!がんばります!それではまた、遊びにきてください~。



>aiaさん
5作目早速読んでくださってありがとうございます~~。
一気に読んでくださったとか、グーっと引き込まれたとか。超うれしい♪ヾ(≧ω≦)ノヒャッホーィ
やっぱりキャッキャしている2人が一番ですよね!ww
楽しみにしてくださっているとのコメントが本当になによりの「次もまた書こう」と言う励みになります。
本当にうれしいコメントありがとうございました!
5作目「Cherry Blossoms 君はきれいだ。」完結しました小葉です。

5作目の1~4までに拍手をしてくださった方ありがとうございます♪
ああ。続きアップしてもいいんだなぁ。と思って本当に勇気をいただきました。
ほんともう無駄に長くてもう読めないや。これ。とか思われたらどうしようと思ってたので・・。

ブログを立ち上げて一週間(私的には)怒涛のように小説をアップしてきたのですが、
ここでストックがなくなりました。

このブログは、
春先からBFの小説を書き始めて1作出来上がった際、皆様のBF熱に乗っかってブログをすぐ立ち上げたかったのですが、飽き性の自分の性格を考慮し、5作くらい書き溜めることができたらブログ作ってもいいんじゃない?と自分に言い聞かせ、5作溜めてブログを立ち上げたものです。
その間自分の中のBF熱もよくぞ冷めないでいてくれたものだと思います。

先日のつれづれにも書きましたが、小説を書くという行為が非常にたのしく・・たのしすぎたので、春からそういえば、小説も読まず・・・1冊読んだか・・。漫画さえ買っては積んでるだけだという・・。そんな書いてばかりだけじゃなかったハズだけど・・。書きながら他の物語って読めないんですね・・(私だけ?おかしい?)
これほど本を読まなかったのは私の人生初めてです。そんなたいした話書いてないのにね!

とりあえず積んでる本を読んで、今度は2作ほど書き溜めたらまたブログにアップしたいと思います♪

でも妄想がとまならいから(if設定のA×英とか)やっぱり本を読まずに早いうちにブログにアップするかもです。

この1週間。たくさんの拍手をいただいて、いくつかのコメントをいただいてとても励まされました。
うちとの相互リンクを快く引き受けてくださったBF先輩方も本当にありがとうございました。
5作で終わらないでと言ってくださった方もいて、ほんとうにうれしく次回更新の原動力をいただきました。
拍手してくださった方もそうでない方ももちろん。拙い小説を読んでくださってありがとうございました~。
伊部の言うとおりに、カメラを操作し、英二は数枚の桜をカメラに収めた。

ーこれでいいのかなぁ。

正直自信がない。桜に限らず、見たとおりに撮ったと思った写真が、現像してみるとなんだこれは、と思うことがしばしばだ。
英二はこの間の伊部の言葉を思い出した。

桜を撮るというよりも・・・・

『感動を撮るんだよ。』
『・・はぁ・・。』

あの時英二は気のない返事をしてしまった。
そういえば伊部さんは美大出身だった・・。
体育大学所属の自分とは感性の質が違う。
『同じ桜をみても、俺の”きれい”と英ちゃんの”きれい”は違うだろ?桜自体は一緒なのに。見え方は人によって違うんだ。それは大なり小なり感動の違いなんだと俺は思うよ。その感動を撮ろうとせず、ただシャッターボタンを押すだけだと、ただの桜が写るのさ。』
だから英ちゃんの感動を撮れと伊部さんは言った。
『英ちゃんだけに見えている感動をね』

あの時、感動なんて見えないものの撮り方はわからないと思ったけど・・・。

英二はアッシュの元に戻ってきた。彼はいつの間にか桜の下で眠っている。
昨日は遅くまでパソコンを使っていたみたいだし、昼間はずっとどこかに出かけていた。疲れているのだろう。

それを早朝から走らせちゃったもんなぁ。

桜の花びらが、英二の親友の上に舞い降りる。
みごとなプラチナブロンドの髪の上に、みごとな薄紅色の花びらが・・。

きれいだ・・。

目を瞑って眠っているときのアッシュは本当に美しい。本人にそんな事を言えば、10倍の嫌味になって返ってくるだろうが・・。
英二は眠っているアッシュに向けてレンズを向けた。

いや起きていても本当にキレイなんだけど。あの減らず口さえなければなぁ。

角度を変えながら、シャッターを切っていく。ふと、英二は手を止めてアッシュをじっと見た。英二はアッシュが自分をどう思っているかなんとなくわかっている。
彼は以前英二とアッシュの住む世界が違うと言った。自分は人殺しだと、自分の住む世界は醜いのだと。そして英二には銃を持たせようとしない。英二を汚れさせないように、きれいなままでいさせるように・・。アッシュは英二をきれいなものとしてみているのだ。きれいで眩しいものとして。
アッシュの髪に落ちた花びらをそっと、指で払う。

ー君こそ、こんなにきれいなのに・・。

アッシュに言えば、そういう事ではないというだろう。外見がどんなに美しくても自分の手は赤い血でよごれていて汚いのだと。
アッシュが経験してきた世界が醜いとアッシュが言うならそうなのだろう。だが、イコール彼が醜いとは限らない。アッシュはそこから出たいと願っている。自分を支配しようとする手に落ちず、自分を陥れようとする闇に染まらず・・。必死で光を求めて手を伸ばしている。
そんな魂が汚いだなんて・・

きれいでないハズがない。

その美しさを写真に閉じ込めようともう一度ファインダーを覗く。

ー僕だけに見える感動・・・

幾度か角度を変え、露出を変え、被写体からの距離を調節する。英二は何枚目かのシャッターを切った。そのフィルムが最後の1枚だった。自動でフィルムが巻き上がる音が辺りに響く。

もし、僕がきみにとっての光であるのならば・・。

その時、小さな風が吹いた。英二は上を向く。たくさんの花びらが舞い落ちる。
アッシュの上に。英二の上に。



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アッシュが目を覚ますと、英二がまた桜を見上げていた。
英二は光の中にいる。眩しい。
なぜだかこの光景に見覚えがある。
光に溶けて降り注ぐ花びらに英二が攫われて行きそうに見えた。
アッシュは慌てて手を伸ばし、英二の手首をつかんだ。英二は驚いて振り向いて、そしてアッシュに微笑みかけた。
アッシュはこの笑顔を見ると心が暖かくなる。
「やっと起きたの?アッシュ?」
「寝てない・・。」
アッシュは憮然として答えた。
「へー。そうなんだー。」
英二はにやにやと笑っている。
アッシュは身を起こしながら、自分の上に積もった花びらを払う。
こんなところで寝てしまうなんて不覚だ。
英二が心配で追いかけておいて、英二を放っておいて眠ってしまうなんて・・。
「もう気がすんだだろ?帰るぞ。」
「そうだねアッシュの写真もいっぱい撮れたしね。」
1本全部君だけに使っちゃった。と、英二がフィルムを目の横で振りながら答えた。もちろんウソだ。
「・・おい。人が寝ている間にー」
「寝てないんじゃなかったの?」
フィルムを奪おうとしたアッシュの手を振り切り英二は笑顔で走り出した。
「英二!」
アッシュは英二を追って走り出した。英二は意外に足が早い。

いや。意外でもないのか。あいつは日本じゃ立派なアスリートだ。

今まで数々の修羅場を一緒に走ってきた。
遅れる仲間もいる中で、英二はアッシュに遅れをとらず並んで走った。

英二は振り向きながら笑顔で叫んだ。
「公園を出る前に捕まえたらフィルムをあげるよー。」

まったくアイツはバカじゃないのか?!
ホントに俺より年上なのかよ?!!

心の中で悪態をつきながらアッシュは英二を追いかける。
その顔は次第に笑顔に変わっていった。

その距離を縮めながら、また間を空けながら、2人は見えなくなっていく。

そうして、また風が吹き、2人のいなくなった桜の下に静かに花びらが降り積もる・・。








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最後までお付き合いしてくださって本当にありがとうございました!
今残暑なのに桜の話です。季節感ないー。9/8のつれづれにも書きましたがこの話は始めて書いた小説で、英二がアッシュに「ちょっと」黙って桜を見にいく話でしたが、「ちょっと」どころかこんなに長くなるとは・・。ただ2人がキャッキャウフフしてるシーンを書きたかっただけなのに・・。でも書くのがすごく楽しかったです。初めて書いた&長い分、皆様が読む分にはダレてしまうところもあったかと思いますが、読んでくださった方、本当に本当に最後までありがとうございました!
 

まいったなぁ。伊部さんから、桜の撮影方法を聞いて書いた紙を忘れてきた・・か、落したか・・。

「探し物はこれか?」
後ろから聞きなれた声がして、英二は驚いて振り返った。

ーアッシュ?

そこには彼の同居人が、英二の探し物であるメモ用紙を持って立っていた。
今まで走っていたのか軽く息が切れている。そんなアッシュを見ながら英二の頭にたくさんの疑問が過ぎる。

どうして・・・
どうしてアッシュがこんな早くに起きてるのか。
どうしてここがわかったのか。
どうしてその紙を持っているのか。
そして。

どうしてそんなに怖い目を・・・。

英二は最後の問いだけ答えがわかっていた。
アッシュの目は笑っていない。
「・・・・ありがと」
と言ってメモを取ろうと英二は手を出した。が、アッシュはメモを持った手を英二の手とは逆方向に動かした。英二に渡す気はないようだ。
英二が右へ手を出すと、アッシュは左へ。英二が左へ出すと、また右へと繰り返す。
「アッシュ・・・勘弁してよ・・・」
「勘弁してだと?」
それはこっちのセリフだと言わんばかりにアッシュの怒鳴り声が辺りに響く。
「お前は馬鹿か?!あれ程一人で出るなと言ったろう! だいたい何でここなんだ? ここはきれいなだけじゃねぇんだよ。浮浪者やら犯罪者やらイカれたやつらがお前みたいな能天気なヤツを狙って、小金を稼ごうと人殺しまで起きるんだぜ。ホールドアップされたら一体お前はどうするんだ?!」

・・でも、ジョギングしている人や朝から散歩している人もいるよ・・。

懸命にも英二は声には出さなかった。
そうではないのだ。アッシュが心配しているのは、それだけではないのだ。
英二は狙われている。正確にはアッシュを狙っている輩がアッシュをおびき出す餌とするために英二を狙っているのだ。
「・・・うん。心配かけてごめんね。」



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ーごめんね?

目の前の日本の友人はすぐに謝る。今のアッシュにはそれも気に入らなかった。
謝るくらいなら最初からこういうことをするな。とさらに怒鳴ろうとした。が、自分より背の低いの黒髪の友人は、黒いアーモンド形の目で自分を見上げ本当に申し訳なさそうな顔をしている。
英二は表情が豊かだ。笑いたい時は素直に笑い、腹が立った時はすぐに眉間に皺がよる。そんな彼が最近、ふとした時に浮かない顔になるのにアッシュは気づいていた。外に出たいのだ。アッシュは自分が英二を閉じ込めているという自覚がある。本来の彼はあんなアパートメントにいる筈がないのだ。日本に帰ればどこへでも自由に歩き回れるだろう。アッシュはそう考えて苦い気持ちになった。
「・・・ほら。これが欲しいんだろ?」
英二はアッシュに許してもらえたのかとパッ表情を明るくする。
「これ」
取ってみろよと素振りで示し、アッシュはメモを持っていた右手を高く上に掲げた。
アッシュより背の低い英二が手を伸ばしただけでは、アッシュの手には届かない。
アッシュが片頬だけでニヤリと笑う。
英二が身長が低いのを気にしてるのを知っているのだ。
英二はムッとした表情になってアッシュを睨んだ。
”このヤロ”
彼は日本語で何事かをつぶやき突然ジャンプした。
「うわ?!」
英二は高く跳び、アッシュの手の中から紙切れを奪い取ったが、体勢を崩してアッシュとぶつかった。
アッシュは自分に倒れ掛かってきた英二を支えようした。
失敗して英二を抱いたまま背中から地面に崩れる。
「ってぇー。」
「・・ご・・ごめん。大丈夫?」
「ごめんじゃねぇよ!謝るくらいなら最初からすんな!」
「うん。ごめんー。」

だから謝るなって・・。

アッシュはため息をついた。英二の腰を支えたまま諦めたように地面に後頭部をつける。
見上げると黒髪の友人がその黒い瞳に心配そうな表情を浮かべて自分を見下ろしていた。その彼の後ろから満開に咲いた花が風もないのに地面に落ちてくる。
「きれいだな。」
「桜? きれいだろ。これを撮りに来たんだ。」
英二はアッシュの上から身を起こして隣に座り桜を見上げた。

ーCherry Blossoms?

そういえば、以前他愛のない会話の中で、英二が日本の桜はとてもきれいだとかなんとか力説していた気がする。

これが桜か。

アッシュは今まで桜がどんな花かはっきりとわかっていなかった。

そんなにこの花が好きなのか。
俺に黙って見にくるほど。

「この桜はソメイヨシノって名前で、日本でもっともメジャーな品種なんだよ」

アメリカで見れるなんてウソみたいだ。

英二は桜を見上げながらやさしく微笑んでそうつぶやいた。
さっき英二を見つけたときも桜を見上げていた。

”日本でもっともメジャーな桜”を。

その桜を見上げながら英二は何を考えているのだろうか。その後ろに何を見ているのだろうか。さっきも今も・・。
桜は太陽に照らされ、その花弁自体が光を放っているようだった。淡いひかりを・・・。
アッシュはその光を遮るように、両目を左腕で覆った。
「朝起きたら英二がいなかった」
「うん」
「慌てて飛び出して探した」
「うん」
「心配したんだ・・」
「うん・・ごめんね・・。」

日本に帰りたいか?

聞けば英二は、君のそばにいるよと答えてくれるだろう。かつて彼がそう答えてくれたように。

だがアッシュは聞かなかった。代わりに身を起こす。
「写真撮ってこいよ」
「いいの?」
英二の顔が明るくなる。
「いいも何も。ここまで来たんだからしょーがないだろ」
「ありがとう!」
英二はすばやく立ち上がって、メモを見ながらカバンからレンズを取り出し付け替える。
アッシュは、一番近い桜の下に座り直した。
「そのメモなんなんだ?」
「伊部さんに教えてもらった、撮影方法さ。レンズの種類とかシャッタースピードとか。」
「それを部屋に忘れたのかよ。」
「でもここの場所も書いてあったからここがわかったんじゃないの?あれ?でも日本語だった気が・・最初だけ英語だったかな?綴りがわからなかったから途中からカタカナで書いたんだ。ハハハ。よくわかったね。」
「・・・あの暗号を解くのにはかなり苦労したぜ。ジャクリーヌの綴りを言ってやろうか? J A C Q U ・・・」
「ハイハイ!家に帰ってからゆっくり聞くよ!」
英二は桜を取るべく、ファインダーを覗きながら場所を変えて離れていく。
アッシュは叫んだ。
「英二!あんまり遠くに行くな!」
英二はカメラを持ちながらこっちをみて何かをつぶやき肩をすくめた。
”子供じゃないんだから”
英二の声が聞こえた気がする。

まったく。子供より質が悪い・・。

アッシュは、シャッターを切りながらウロウロしている英二を視界に入れたまま桜を見た。

ほんとキレイだな。

木々に茂った桜の花びらが、光に透けて、その間から陽光がこぼれる。
見ていると吸い込まれそうだ・・。
アッシュは桜に背を預けた。どっと疲労が押し寄せる。
小鳥が枝から枝へ羽ばたく音がした。微かな風が首筋を通り抜ける。桜にもたれかかったままアッシュは辺りを見渡した。春先のやわらかい光が新緑を照らしている。貯水池の水面も光を受けてきらきらと輝いていた。

ここは光に溢れている。

公園内に入ってから今までそんなことに気づく余裕がなかった。
英二を見つけてからアッシュの世界は明るいものになった。
さっき英二を見つけてから。

ーあの日英二と出会ってから・・。

視線の先では、春の光の中で英二がシャッターを切っている。

ーほんとうにキレイだ・・。

知らぬ間に瞼が下がっていった。

続く
英二は86番ストリートから公園に入ったところで足を緩めた。
そのまま伊部に聞いていた道を歩いていく。

えーと。こっちでいいんだっけ?

アパートメントからここまで意外に時間がかかった。すでに2kmは走った気がする。
公園内は緑で溢れていた。舗装された道路に影を落とす梢からは小鳥の鳴き声が聞こえる。

そういえば、リスもいるって話だなぁ。

英二はゆっくり歩き、公園の自然を楽しんだ。10分程歩いた頃だろうか・・。

あれは・・・。

その時英二の目線の先に目的のものが見え始めた。

桜・・・・。

ここは日本かと錯覚するほどの見事な桜が数本並んでいた。
『まだ咲き始めだったけど、あれは絶対ソメイヨシノだったよ。』
伊部の言葉を信じてないわけではなかったが、ニューヨークに桜なんて。

本当だったんだ。

伊部の電話から1週間がたっており、桜は少し盛りを過ぎているようだ。ハラハラと散る花びらで少しだけ地面が色づいている。
英二はカバンの中からカメラを取りだした。シャッターを切る。桜の淡いピンクと、芝の緑とのコントラストが美しい。英二はゆっくりと桜に近寄った。
満開の桜もいいが英二は散り始めの桜が好きだ。
桜の散る様を下から見ながら英二はあの時の電話での会話を思い出した。

桜の写真とりたいなぁ。
といった自分に伊部は桜の写真は難しいと返してきた。
写真を撮るだけなら誰にでもできるが、後で見返すとなんだかきれいじゃない。桜自体はもちろんカメラで写し出されてるが、実際桜を前にした時の、美しさや光やなんともいえない惚けるような感動はただシャッターを切るだけでは現像した写真に現れないのだと。
『じゃぁ。伊部さんはどうやって撮るんですか?』
そう聞いた英二に電話の向こうで伊部がニヤリと笑った気がした。
『企業秘密だよ。いくら英ちゃんでも簡単には教えられないなぁ。』
英二はワザと拗ねたように言葉を返した。
『ひどいなぁ。伊部さんは自分のアシスタントがいつまでたっても使い物にならなくてもいいんですね?』
『・・・それはちょっとマイッチャウかなぁ。』
アシスタントとは名ばかりで、お互いに英二の撮影能力の向上はさして期待してない上での軽口だった。
伊部さんにちょっとでも楽してもらうために教えてください。と言った英二に伊部は軽く笑って、桜に寄って撮るとき、引いて撮るときのレンズの種類、f値、シャッタースピード、補正の方法など、現実的なテクニックを教えた。英二は必死でメモをとった。
『ーて感じかな。わかった?英ちゃん。露出って覚えてるよね?』
『・・・・・はい。えーと』
伊部は電話の向こうで頭を押さえた。
『・・・まぁいいけど。ここから言うのが企業秘密というかコツというかー桜を撮るというよりも』





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アッシュは息を切らしていた。
アメリカ国内で最大規模の都市公園は人を探すには広すぎた。この公園は単純な市民の憩いの場ではなく、寄る辺ない浮浪者や観光客をカモにしようと狙っている犯罪者も多い。アッシュは英二を探してたくさんの施設や池や広場を覗いただけでなく、危険な茂みや建物の影などにも気を配りながらここまで走ってきた。
なかなか見つからない英二にアッシュは焦燥を覚えていた。

セントラルパークじゃなかったのか?

ではどこに?アッシュは足を止めた。前に屈みながら何度も肩で息をする。腕で汗をぬぐいながら英二が書いたわけのわからないメモ用紙をもう一度みた。

ーJakr・・・・・

アッシュにわかるのは(なんのことやらわかならいが)そのアルファベットといくつかの数字だけで、他は日本語で書かれていた。

なにかの略?・・それとも・・・。あ!

ジャクリーヌ・ケネデイ・オナシス貯水池( Jacqueline.Kennedy.Onassis Reservoir)か!

セントラルパーク内で一番大きな池であるその池までは目と鼻の先だった。
アッシュはまた走り出した。
目当ての貯水地にはすぐに到着した。しかし1周1.58マイル(2.5km)もある大きな池の対岸に英二がいたとしてもとうてい気づけるものではない。
アッシュは左右を見てため息をついた。

ちくしょー。池の周りをジョギングしろってのか・・。

右から周るか左から周るか・・。
アッシュは進路を右にとり半時計周りに走った。
しばらく走った後、かなり前方に黒髪の少年の姿が見えてきた。

あれは・・。

アッシュは遠くに英二を見つけた。
英二は池のほとりに一人で佇んでいる。花が満開に咲いている木の下にいるようだった。

何やってんだ、あいつは!

自分がこんなに必死になっているのに。
英二は首からカメラを下げているものの、ファインダーを覗くでもなくじっと満開の花を見上げて惚けている(ようにアッシュにはみえる)。暢気な彼に、ただでさえイラついていた気分がさらにイラつく。凶悪な気分だ。
すると英二が動いた。カバンの中をのぞき、自分の胸ポケットを触り、ジーンズの後ろを確認している。どうやらなにかを探しているようだ。

アッシュは走るのを止め、英二に静かに近寄っていった。

続く
5作目をアップしてちょっとドキドキしている小葉です。

5作目はちょっと長めのお話。
初めてBFの小説を書いたのがこの話です。
それまでの私は小説を書いたことがなく(高校の頃の誘われて書いた同人誌の3ページはノーカウントってことで)自分に小説が書けるとは思ってませんでした。
BFに再萌えし、素敵な作品をネットでたくさん拝見し、自分も書きたい、いやでもいやいや。と思ってたのですが、いいや一回書いてみよう!と思い立った仕事帰りの電車の中で、はじめてスマホに文章を打ち込んだとき、誰が観ているわけでもないのに超恥ずかしくて。
でも書き始めるとアッシュと英二の情景が色々浮かんできて、すっごく楽しくて。
小説を書くという行為はこんなに楽しいことかと。物語を詰めていくというのはこんなに面白いことかと。(←ちょっと大げさ)
帰ってからパソコンで書いて、電車の中でまた書いて、帰って書いての繰り返し。
すごくハマる小説を読んでいる時のような楽しさでした。

内容はまあ・・。おもしろいかおもしろくないかと言うとまぁ・・。他の方が読めば読みずらいかと思いますが、小説を書くという楽しさを教えてくれた最初の小説なので、出来上がった時は嬉しかったです。

ちょっと長めのお話でまだ全部アップしきれてないですが、最後の方に書きたかった場面がありますのでできれば最後までお付き合いしてください♪

あ・・あと、続きが読みたいとちょっとでも思われた方は小説のページの拍手ボタンをポチリとしてくださると、モチベーションが上がります。続き読みたいと思われるかどうかちょっと不安なんで・・。
>Lucy様
『君との食卓』と『君が待つ灯』を読んでくださってありがとうございます。
情景が目に浮かぶようだと言って下さって、アッシュと英二のやりとりに笑っていただいて本当に嬉しいです!
2人の掛け合いを想像するのが好きなのでww
リンクの件こちらこそありがとうございます。早速貼らせていただきました!ご確認お願いいたします。
それでは、また時間のあるときにでも読みに来てやってくださいね~。


>aia様
ご訪問くださってありがとうございます!
しかも暖かいコメントと拍手までいただいてすごくうれしいです~。
私の視点と文章が大好きと言ってくださって舞い上がっちゃいます♪
アッシュと英二の会話はなるべく原作よりで考えるのが好きで、
原作でも2人の掛け合いをもっともっと見たかったです。
aia様の描かれる2人もすっごく自然で、本当にまだ2人がそこにいるような感じですよね。
また遊びにいかせてください。
リンク貼らせていただきました。ご確認ください。
もちろん私のリンクも貼っていただけるなんて光栄です。ぜひぜひ。
本当にうれしいコメントありがとうございました!
それではよろしければまた遊びにきてくださいね~^^
正直なところ英二はそれほど焦ってはいなかった。久しぶりの外出が彼の足を軽くさせているだけだ。最近の彼は確実に運動不足で、元来体を動かすことを好む彼には外出ができない生活は正直辛かった。今走っているのも、彼の同居人が起きる前に何事もなかったかのように戻っていたい、との理由もあるが、ただ単純に走るのが気持ちいいからだ。

アッシュが起きる前に・・か・・・ー

だが彼の同居人は、彼が起こさない限り自分で起きることがない。今はまだ朝の6時前だ。目的地は彼らが暮らしているアパートメントの窓から見えるほど近い。ちょっと目的を果たして帰っても、1時間程度だろう。
英二にはどうしても行きたいところがあった。多分、今日を逃すとまた1年待たないといけない。いや、今日でも遅過ぎるかしれなかった。

『機会があれば行って見ればいいよ。英ちゃん。』
電話で伊部にそう伝えられ、あの時思わずアッシュを窺った。アッシュは相変わらず新聞を読んでいる。
ここ最近、 表には出さないがアッシュはなんとなく様子がおかしい。どことなく緊張しているというか、ピリピリしているというか・・・。

ー外に出たいなんて

とても言えないなとため息をついた。
だが英二は伊部に勧められた場所に行きたかった。何度かアッシュに言ってみようと思い、やっぱりやめるを繰り返して1週間がたつ。今日の朝、なぜだか早く目が覚めた英二はもう一度眠ることができなかった。アッシュを起こさないよう一人窓辺で夜明けを見ていると、気持ちを押さえられなくなった。

あれから1週間たっちゃったけど大丈夫かな。雨も降らなかったし間に合うかなぁ?
えーとここは71番ストリートだから・・・

新緑を右手に見ながら、彼は久しぶりの運動を楽しんでいた。 英二はセントラルパークの中には入らずその外縁を走っていた。



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セントラルパークへ行ったのだろうが・・・。

アッシュは走りながら考える。問題はセントラルパークのどこかという事だ。
一概にセントラルパークと言っても広い。ニューヨーカーのオアシス的なそれは、東西に0.8km、南北に4km程もある巨大な公園だった。 
アッシュはアパートメントからセントラルパークの入り口への最短距離を走っていた。500m程度なので走るとあっという間に着く。とりあえず、アッシュは公園に入ることにした。アッシュがセントラルパークだと思うのには理由があった。
先ほど窓際を見るといつも三脚に設置されているカメラがなかった。
英二はたしかに写真を撮る。コルシカ人財団のビルに出入りする怪しい人物だけではなく、部屋では、コングやボーンズそしてアッシュを予告なしで撮るのを楽しんでいる。しかし、アッシュは英二が名ばかりのカメラマン助手だと知っていた。
自分に黙って写真を撮りに行くほど興味を引くものが前々からあったとは思えない。ここ数日で、誰(何)が英二の気を引いたのか。
本人は不本意だろうが籠の鳥である英二の情報収集能力は低い。彼に情報を与えるものといえば、本当に理解しているのかわからない新聞と(それは英語でかかれているから)、くだらないテレビ番組(英二のお気に入りは流行のドラマとスポーツ観戦だ)。あと、コングとボーンズ。たまにアレックス。そして自分。

それから先日の伊部の電話・・。

まったく、オッサンってのはよけいなことをしてくれる。

伊部が何やら英二に吹き込んだに違いなかった。

続く
『伊部さん?!』

いままで不機嫌だった英二の声が嬉しそうに跳ね上がる。
明るい声と表情で、アッシュには理解することができない言葉で話しはじめた。

・・ふん。

伊部に電話番号を教えたのはアッシュだ。このアパートメント暮らしも数ヶ月となり、英二もそろそろストレスがたまって来たように見える。今まではっきりと口に出して言われた事はないが英二は外に出たがっている。だが、外出を許すわけには行かなかった。最近自分の周りでおかしな気配を感じるのだ。あれが何かわかるまでは・・。
英二のストレスが少しでも軽くなればと思い、伊部に電話をかけるように促した。ただし、電話番号のメモは残さないことを条件に。”暗記できるなら電話番号を教えるけど?イベサン?”
教えたのは1日前だ。そして今日電話を掛けてきた。早い。

相変わらず過保護だな・・。

アッシュは自分の事を棚に上げてそう考えた。
新聞越しに英二を伺うと、楽しそうになにやら話している。日本語だから内容はわからないが、英二の嬉しそうな声と、要所要所にでてくる発音の悪い英語の部分だけが耳に残る。その中で英二の声がひときわ高くなった。

セントラルパーク・・?

決してうまいとは言えない英語の発音が、日本語の会話の中に混ざるとさらにヘタクソな発音になって聞き取りづらい。が、セントラルパークが話題になっているようだ。何かにしきりに関心している。そして、チラリとこちらを見た。アッシュは慌てた素振りも見せずに新聞を読んでる振りをした。英二は少しの間、困ったように伊部に相槌を打っているように見える。そしてため息をついてアッシュから視線をはずした。

なんだよ・・。

英二は今度は窓際にいつも置いているカメラの方を見て相槌を打ち始めた。2、3のメモを取っている。話の抑揚からすると、どうやら話は終わりに近づいているようだった。


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アッシュは拾った紙きれを見ながら、1週間前の伊部からの電話を思い出していた。

あの時のメモか・・・・。

手の中の紙切れを読もうとしたが、英語ーらしきものーと日本語で書かれたこの文字は解読不能だった。
しばらく考えた後、窓際の床に眼を走らせ、素早く着替え、クローゼットの上の扉から銃を取り出し、ジーンズに挟み込んで部屋を飛び出した。

続く
英二は走っていた。
肩にかけられた黒いショルダーバッグの中でカメラといくつかのレンズがぶつかる音がする。

アッシュが起きる前に帰らなきゃ。

英二は早朝の空気が好きだ。昔は毎朝ジョギングをしていたが、アメリカにきてからはサッパリだ。
まだ何者にも侵されてない清涼な風を切って走りながら英二は1週間前の出来事を思い起こしていた。




あの日。英二はいつものとおりマンハッタンの高級アパートメントの一室にいた。そこから望む春先のセントラルパークでは、芽吹いたばかりのみずみずしい新緑が春先の光を浴びてキラキラと輝いている。英二はどことなく浮かない顔で外を眺めていた。
室内に目を移すと、やっと起きたーというか起こしたーアッシュがシャワーを浴びた後、新聞を読みながら朝食を食べていた。すでに朝ではなかったが・・。気になる記事があるのか食事の手が止まっている。
そんなアッシュに英二は声をかけた。
『新聞を読むかベーグルを食べるかどっちかにすれば?』
『オレは新聞を読みながらベーグルを食うという芸を覚えたのさ。』
今朝なかなか起きようとしないアッシュに言った嫌味の返しがここでくるのか・・。
英二はあきれつつも、アッシュの嫌味に付き合ってみた。
『そんな芸じゃお金を取れないよ。』
『新聞を読みながらナットウを食うよりは取れるだろ。』
『納豆のほうがレベルが高くない?』
『臭くて客が逃げていくんだよ。オニイチャン。ボク、コーヒーが飲みたいなぁ。』
アッシュは新聞から目を離さず、空になったマグカップを英二に向けて傾けた。

まったく。口のへらない。

そのカップをひったくるようにして手にとり、英二はコーヒーを入れるべくキッチンへ向かった。
『英二。砂糖はなしで。』

自分でいれれば?

そう言おうと口を開いたところで電話が鳴った。立てられた新聞によって隠されたアッシュの表情は読めない。だが電話に出る気はないようだ。アッシュの方が電話に近いのに。

まったく。アッシュ。僕のことをなんだと思ってるんだ。

英二はカップに砂糖を5杯いれた。しかも山盛りだ。
コーヒーを注いだマグカップをアッシュの前に乱暴に置く。そしてカップからコーヒーがこぼれたのにもかまわず、電話へと向かった。
するとアッシュが新聞に視線を向けたまま英二に声をかけた。
『相手が誰かわかるまで、』
『名乗るなって言うんだろ?わかってるさ。』
少し乱暴な口調で言葉を遮られたアッシュは新聞ごと肩をすくめた。
『Hello?』
受話器をとってそう言った英二に、アッシュはやっと目を上げる。
『-おい・・』
アッシュの言いたいことはわかっている。相手が誰かわかるまで声すら出すなと言いたいのだ。
だがアッシュはそのまま黙り、こちらを見ながらコーヒーを口にする。
あまりの甘さで顔がゆがんだ。

ザマーミロだ。

‘英ちゃん?’

その時、受話器から聞きなれた声が聞こえてきた。

続く
何かが静かに閉じられる音がしてアッシュは薄く目を開けた。

この59丁目のアパートメントに引越してからアッシュが自分で目覚めることはめずらしい。いや初めてかもしれない。いつもは口うるさい同居人が年長者の義務だ言わんばかりに、耳元で大声を出したり、遠慮なく頭を叩いたり・・・。アッシュはひどい扱いを受けてやっと目覚めるのだ。

たかだか二年早く生まれただけで年上風をふかしやがって・・ー

一週間程前、寝ぼけた頭にヒットした平手がひどく痛かったので、枕を抱きしめたまま小さい声で抗議してみた。
『児童虐待だ・・』
英二がここぞとばかりにこう言った。
『”虐待”と”躾”の区別って難しいよね。愛情のあるかなしかだと思うんだけど。水族館のアシカだって、怒られたりほめられたりして芸を覚えていくんだよ。さあ。朝になったら顔を洗うって芸をいい加減覚えたらどうだい?』

英二、それは”調教”だ・・・。

英語が得意ではない外国人の彼が『調教』なんて単語を知っているとは思えず、アッシュは黙って枕に顔をうずめた。
日光を遮っていたカーテンが開けられて、再びまどろみの中に落ちていこうとしたアッシュの頬に、もはや朝日とはいえない光があてられた。
『ほら、もうお昼になるよ。外はすごくいい天気だよ。』
片目だけを1mm程度開けると、英二がこちらを振り向くところだった。逆光で表情は見えないが、窓越しの光が英二の輪郭を輝かせている。アッシュは英二が光の中に溶けていくような錯覚を覚えた。眩しい。
『こんな日に寝坊なんてもったいないよ・・アッシュ・・』
・・・アッシュ・・・。
アッシュは光のなかに消えそうな英二を捕まえるために片手をのばした。

「・・・英・・?」

寝ぼけていたのかー。

伸ばした手の先に英二はいなかった。だらりと腕をベットの脇にたらす。横向きに寝ていたアッシュの焦点がぼんやりと床に合う。閉じられたままのカーテンの隙間からカーペットに日の光が差していた。その淡さから夜が明けて間もない事がわかる。
アッシュは視線を上げ、隣のベッドを見た。
英二がいない。
ベッドへと吸い寄せられる体を機械的にむくりと起こし、もう一度隣のベッドを見た。
英二はいない。
再び遠くで何かが閉まる音-ドアが閉まる音がした。
時計をみると5時42分。アッシュは不機嫌なオーラを身にまとい、寝癖で爆発した髪もそのままにのそりとベッドを出た。リビングを確認し、キッチンをのぞき、バスルームをノックしする。返事はない。薄くドアを開けてみた。いない。

どこにもいない?

まさか。玄関に行って、コートハンガーを見ると、英二の上着がなかった。

外へ出たのか?

時計を見ると5時47分。こんな早くに1階のスーパーが開いているわけもない。寝起きの不機嫌さが次第に怒りへと変わっていく。

どこへ?なんのために?・・一人で。

さっきまで寝ぼけていたとは思えない足取りで、アッシュは窓際に向かった。ブラインドを乱暴に指で下げる。

「・・・あいつ」

見下ろすと、黒髪の少年が通りを小走りで走っていく所が見えた。英二だ。
あれほど一人で外へ出るなと言ったのに。早朝と言えど、ニューヨークは危ない。宵っ張りの酔っ払いに絡まれるくらいならいいが、観光客を狙う早起きの犯罪者がいないとも言い切れない。そういえば最近変な気配が自分の周りにあるのも気にかかる。誰かにこちらを伺われているような・・。それでいて手出しをしてくる様子もない。
なんのために英二は外に出たのか。誰かから呼び出された?
誰が英二に接触したとすれば、それは・・?
英二を追いかけようとクローゼットへと踵を返したその足でアッシュは何かを踏んだ。

「ー?」

カサリと鳴ったそれを取り上げると、それは紙切れだった。その紙には英二の字で何かが書かれていた。



続く
>jerryさん
こんばんわ!4作目読んでくださって非常に嬉しいです。クリックしてもらうことすら難しいG×Aだと思ってたので・・・。
しかも読み応えがあるとのコメントまで本当にありがとうございました。コメントを読ませていただくとほんとうにちゃんと読んでくださったんだなぁ。と思ってすごく嬉しかったです。

「プライベートオピニオン」のアッシュに繋がっていく・・。そうですね。原作の中ではアッシュの一番古い物語なので、そうなる前の話を自分が読んでみたくて考えたらああいうのが出てきました。最初はアッシュが窓の前で震えているだけの話だったんですが、理由を考えたらとまらなくなってあんな感じに・・。私は文章を最初から通して書けなくて、パズルをはめるよう行きつ戻りつ思いついた文章を埋めていくので、最後のピースをはめた時。おお。こうなったか。と。でも、自分では結構お気に入りの話だったりします。

「アッシュが生きていたら英二とどうなったか」これはきっとBFファンの命題ですね。私はアッシュが亡くなるまではなるべく原作に沿ったの物語を書いて行きたいと思っていますが、if設定だとこれはないだろ。と思いつつドリーマーになってしまうかも?(笑)
jerryさんの「アッシュが生きていたら英二とどうなったか」非常に興味があります。またぜひぜひブログにアップしてください!

最後になりましたが、5作目で終わらないでとのこれまたうれしいコメントをありがとうございます。できれば続けて行きたいですが、5作書くのに6ヶ月くらいかかったし・・(1ヶ月1作とかではなく、何作か同時進行で思いついた場面をバラバラと前後関係なく埋めていくので、どれが上がるかとか自分でもわからないんです。ほぼ無理っぽいのもあるし。)
今から年末に向けて仕事が忙しくなり、ちょっとお約束できないですが、今書いてる話を数えてみると7作くらい。その中で仕上がりそうなのは1作くらい。(←少な・・・。でもこれあと数行でできるハズ。)それとあと1作くらいかなぁ。できるだけ精進します!

長文すみませんでした。本当に嬉しいコメントありがとうございました!
すみませんすみません。まさかのゴーちゃん×アッシュネタをアップした小葉です。

みなさんお気づきになられてましたでしょうか?
このブログは「アダルトカテゴリ」です・・・。
はぁ(ため息)あげなきゃよかったかも・・・。

ブログ開始する前にこの話ができていたので、こういうのって普通のブログに載せていいのかどうか最初に迷ってしまって・・・。
R18と言っても読んでみたら拍子抜けすると思いますが、やっぱりお子様は見ないほうがいいですものね。このお話の最後にも書きましたが、がっつりR18を書いたのではなくアッシュの過去を考えたらこうなったという程度のものですので興味のある方は読んでみてください。

4作目「Prison 月の格子」はさすがのアッシュも幼すぎて力がない頃のお話です。(12歳設定)
アッシュはこの後、力をつけてなんとかゴーちゃんの支配から抜けだそうとするんだと思います。
今度13才設定の話もできれば書いてみたいと思います。できれば。

英二に出会うまでがんばれアッシュ~。

5作目はアッシュと英二のお話です。
せつない系とほのぼの系でせつぼの。

それでは、この4作目がダメだった方もできれば、次作をご覧になってください~。


ストック5作品しかないのに、3作目をアップしてしまった小葉です。こんばんわ。

たくさんの拍手そしていくつかのコメントありがとうございました!
Recipes②に付属している「おまけのおまけ」にまで拍手をいただいてすごく嬉しいです。
すごい。拍手とコメントってやる気になりますね。すごい。

3作目は「Recipes③おまけ」。という題名でアップしようと思ってたのですが、題名つけちゃいました。でも気分はおまけです。

さて、いままでアップした話のテーマは「アッシュの幸せ探し」でした。
これまでは、ほのぼのした作品でしたが、4作目はちょっと(うーん結構?)暗い話を更新しようと思います。

そして5作目はちょっと長めの話になります。
でも暗くないです~。一番がんばった話です。

とりあえず、アップの予定があるのは5作目まで。それまでできればお付き合いください♪

(でも、6作目も更新できるようにがんばります!)


追記:Recipes③に「おまけのおまけのおまけ」を付けました。
手が震えていた。
いや、手だけではない。全身がだ。

アッシュは自分を覆うようにして眠っている男の下からそっと抜け出す。細かく震える手で床に落とされたシャツを拾った。それを肩にかけ大きな掃き出し窓に近づいていく。今夜は満月だ。格子の窓から入る月光は、足の長い絨毯に幾つもの十字の影を落としている。

ーまるで牢獄だ。

震えがとまらない足で窓辺へと歩く。小さな彼の体に十字の影が映され、そして進行方向とは逆に動いていった。
アッシュは窓ガラスに頭を軽くつけ庭を眺めた。この館の主がわざわざイギリスから呼び寄せた有名な庭師によって設計されたその庭は、月明かりに照らされ十分に明るい。
なんの感動もなく整然と刈り込まれたその庭を眺める。
薄い金色の月に照らされた庭なのにどうして青白く光って見えるのか。いや青白いというよりアッシュには無色に見える。無色というより無機質か。
アッシュは小刻みに震える手をゆっくりと開いてじっと見た。

ー大丈夫だ。これ位。なんてことはない。

ゴルツィネは比較的悪い相手ではなかった。ただ今日は彼の飼い主の機嫌が悪かったのだ。そしてアッシュも。
相手の機嫌のいいときは多少の抵抗や我侭も許されるが、そうでない時は体格差にモノを言わせて好きなように翻弄される。力ずくで。
どんな客もそうだった。
自分より何倍もの重量のある大人の男に勝てる力がアッシュにはない。アッシュは経験から、相手の機嫌が悪いときは嵐が過ぎるのを待つようにおとなしくしているに限る事を学んだ。

ただ今日は・・。

アッシュがクラブ・コッドからゴルツィネの屋敷に連れられてから1年はたっただろうか。てっきり彼専属の男娼になって飼い殺しされるのかと思っていたら、コルシカマフィアのボスは、酔狂にも彼に教師をつけ知識を与え始めた。アッシュは真面目な生徒ではなかったが、非常に優秀な生徒だと言えた。もともと記憶力と理解力がずば抜けていた彼は、与えられる知識を乾いたスポンジが水を吸収するように自分のものにしていった。最初は1人だった教師が彼の理解力に応じて2人3人と増えていく。

そして今日の昼下がり。

アッシュはいつもどうり、講義を受けるためゴルツィネの屋敷の一室で教師を前にしていた。

だるい・・。

ゴルツィネが商談のため一週間程留守なのをいいことに、マービンが昨日アッシュを連れ出した。理由は決まっている。アッシュを抱くためだ。マービンのなじみの安ホテルでアッシュが開放されたのは、明け方だった。
屋敷に帰ったアッシュは食事もとらず少しの間仮眠し、疲れと不快感の残る体を引きずり今教師の前に座っている。大人しくこの講義を受けているアッシュの美しい翡翠色の瞳を縁取るアイラインは、寝不足のせいか赤くかすみ微熱があるのかその瞳は少しうるんでいた。その姿は見る者にとってはかなり扇情的であることを本人は気づいていない。
聞こえてはいるが、頭に入ってこない教師の声がピタと止む。
気づけば、教師に顎を捕らえられ唇を奪われていた。

やばい。

アッシュは身を硬くする。こういうことはこの教師が初めてではない。アッシュは比較的真面目に講義を受けているつもりなのだが、何が引き金になるのか、突然教師が彼に性的な行為を仕掛けてくるのだ。
真面目そうな教師の銀縁眼鏡にはめられたレンズは白く光を反射して彼の表情を隠していた。

やめろ・・。

アッシュは予期せぬ時にー覚悟ができていない時にー仕掛けられる行為には、いつも体が激しい拒否反応を示すのか、金縛りにあったように声もあげられず体も動かせない。

やめて・・。

すがるような瞳でただ訴えてみるが、にじむ涙で濡れた翠のそれが教師の劣情をいっそうそそる。その気になった教師はますます興奮するだけで、アッシュの意図を汲み取ってはくれない。
教師の唇が金糸の髪に飾られた白い首筋に滑り、その手がアッシュのシャツをはだけ、白磁のような肌の感触を味わおうとした。

その時ー

『何をしているのですかな?先生。』
ゴルツィネが部屋の開け放たれた扉の下に立っていた。
教師がはじかれたように立ち上がり、派手な音とともに椅子が倒れた。
『こ・・これは』
アッシュも驚いて目を見開く。
商談で1週間前後屋敷を開けると言って出て行ったのはほんの2日前だった。予期せぬ早めの帰宅の理由は商談が上手くいったからなのか、それとも逆か。どちらにせよアッシュには関係のないことだった。が、タイミングが最悪だ。
マフィアのボスが目を細めてアッシュに向けて言った。
『お前は自分の部屋に戻っていなさい。私が呼ぶまで外に出るな。』
アッシュは黙ったまま、教師に口付けられた箇所を腕でぬぐい、体裁を整えそのまま部屋を出た。

明日にはまた違う教師が来るだろう。

だがアッシュには興味のないことだった。


数時間後ー


ゴルツィネの手下がマフィアのボスの寝室のドアをノックする。アッシュはその手下の後ろについていた。中から入室を促す声がして、手下はドアを開いた。背中を押され寝室の中に入る。
アッシュを残して閉められたドアを背に彼はその場に佇んだ。
高級な光沢を放つシルクのガウンを着たゴルツィネが、アッシュにはわからない酒の入ったグラスを片手にナイトテーブルの傍らに立っていた。
『こちらへ来なさい。』
アッシュは扉の前に立ったまま動かない。
いや。これからこの彼の飼い主にされることを思えば足が動いてくれないのだ。
『アッシュ。』
じれたゴルツィネがアッシュに近寄り腕をつかむ。
『っ!』
アッシュはその手を叩くように無意識に払いのけた。

払うつもりはなかった。

そんな事をすれば、目の前の男の機嫌が今以上に悪くなることはわかっていた。だが、昨日はマービンに抱かれ、日中は教師に迫られ、この上目の前の男に触れられることをアッシュの体と精神が拒んだ上の反射だった。
飼い猫にひっかかれた男は、アッシュの細い腕を肉厚の手でがっしりと掴み、引きずるようにベッドまで連れて行き、その小さな体をベッドに投げた。したたか背中を打ったアッシュが肘をついて頭をあげると、ゴルツィネは金髪の少年の後ろ髪に手を差し入れ髪の毛ごと頭をつかみ上を向かせた。
『わたしに逆らうな。』
男はアッシュに口を寄せる。生温かい息がアッシュにかかる。無意識に顔を背けようとしたが後頭部を固定され逃げられない。唇が合わさり、男の舌がアッシュの小さな口蓋を侵した。
『お前が誘ったのか?』
ここでアッシュはようやく言葉を発した。
『・・・俺は誘ってない。』
『わたしの許可なく、ああいうことは2度とするな。』
『だから誘ってなんか、』
『お前が誘ったのであろうとなかろうとだ。』

じゃぁ聞くな!

自分の主張などどうでもいいのだ。自分の感情などどうでもいいのだ。わかっていた。わかってはいたが胸の内からどうしようもない怒りが込み上げる。アッシュは力いっぱい男を押しやろうと腕の中で暴れた。
左頬が男によって張られる。その反動で体がベッドに叩きつけられた。アッシュは暴れるのをやめた。
だが、翡翠のきつい眼差しで男を真正面から睨み付ける。男はそんなアッシュの瞳を歯牙にもかけず、両手首を掴んでベッドに縫い付けた。
『逆らうなといっただろう。』
逃げるように首をすくめるアッシュの首筋を男の舌が這った。アッシュはこれから起こることから目をそむけようときつく目を閉じる。瞼に覆われた翡翠の瞳から涙が滲んだ。

これから長い夜が始まるのだ。いつもの夜がー。






そして今、アッシュは冷たい月光に照らされた庭を眺めながら震えが止まるまで自分の腕で体を包み込こんでいた。いつまでも止まらない震え。

ー誰かここから・・・。

何かを隠すように固く手を握りしめ、目を瞑る。アッシュは大きく息をした。

何度も何度も。

窓の外では強くもない風が吹いているのか、庭に植えられた木々の梢がこすれる音がする。ほぼ等間隔にざわめくその音はなぜだか故郷の海の波の音を思い起こさせた。
海と浜辺以外はなにもない故郷の風景。全てはあそこから始まった。アッシュはここに行き着くまでの出来事を思い出した。

自分に乱暴した男に向かって銃を向けた時。
叔母の家に預けられるのが嫌で家出してきた時。
抱かれるのが嫌で仕方なかったが、初めて客に自分から媚びて金をせしめた時。

アッシュはゆっくりと瞼を開いていった。その中から強い光を放つ翡翠の瞳が現れる。

誰かなんていない。

全て自分で選んで来たことだ。
全身を這っていた震えはいつしか止んでいた。

誰も連れ出してはくれない。

握り締めた手を開いて、冷たい窓につけた。

いつかここから・・。

アッシュは月を見上げる。
今は何時なのだろうか、夜はまだ明けそうもなかった。
月は無機質な光を満遍なく辺りに放っていた。その光が世界を青白く染める。
ただ、十字の格子に嵌められたガラス越しに佇む少年のみごとな金髪と、意志を持ったきつい翡翠の瞳だけを際立たせていた。







最後まで読んでくださった方。本当にありがとうございます。
誰得的なまさかのG×Aネタ。こんなのも書きます。みたいな。
私がBF2次小説を書く理由のひとつは(そんなたいそうなものではないですが)原作の理由を考えてしまうからです。
なんで英二は料理ができるんだろ?なんでアッシュはハンバーガーが嫌いなんだろ?どんな時にアッシュは英二から暖かいものが流れ込んでくるんだろ?
そしてBFでの最大の疑問は「アッシュって英二と出会う前どんな生活送ってたんだろう」です。
これ考えるとすごく考えてしまって。何歳から何歳までクラブ・コッドにいたのだろうか。どうやって銃を(しかもポリススペシャル)を手に入れたのか。グリフィンはどうやって見つけたのか。考えればキリがない・・。
吉田先生。アッシュの過去を描いてくれないですかね。
こんな暗くて英二がでてこない話需要がないんだろーなー。
ちなみに言い訳ではありませんが、R18を書きたかったのではなくアッシュの過去を考えればこうなったという・・。どれほどの人がこの小説を読んでくれるのか甚だ懐疑的ではありますが、ここまで読んでくださった心優しい方。本当に感謝です!ありがとうございました。